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食と観光支える基盤整備に注力/建設業の魅力伝える取組支える/新任開建部長リレーインタビュー②<帯広> 細井 俊宏 氏

2018/05/22付 連載・特集
細井俊宏氏画像
 ほそい・としひろ
 昭和62年東京農工大卒。平成25年札幌開建次長、27年開発局農業整備課長、28年開発局農業設計課長を経て、ことし4月1日付で現職。
 昭和39年12月19日生まれ、53歳。東京都出身。

―管内の印象と新任の抱負について

 十勝での勤務は初めてとなるが、農業農村整備事業に携わっていた経験から「十勝=農業王国」との印象を強く持っている。
 28年夏の台風被害については、被災直後に現地入りし深刻な事態であると認識した。農業部門においては国内の食料供給基地でもある十勝の農地被害や農作物の減収による2次産業への影響を注視していた。治水部門では昨年末までに堤防等の本復旧工事を終えており、また道路部門においても昨年秋に日勝峠の復旧を果たしたことから、十勝の根幹に当たる部分の復旧は着実に進んでいると前任の河畑部長から引き継いでいる。
 現在復旧工事を行っている個所もあるため、その完成まで全力を尽くすとともに、すでに進めている減災対策についてハード・ソフト両面ともに充実を図っていきたい。
 そのためには、管内の状況を把握するために地域の方々とのコミュニケーションを密にするとともに、私自身積極的に外に出て現場に直にふれる時間をつくりたいと考えている。
 第8期目となる北海道総合開発計画では、「食」と「観光」が戦略的な産業と位置付けられているが、十勝のポテンシャルは高いと認識している。この2本柱のさらなる発展を支援していくためにも、まずは十勝の味覚や景観などの管内の魅力を体感することから始めていきたい。

―本年度の主要事業について

 治水事業では、28年夏の台風により策定された「北海道緊急治水対策プロジェクト」に基づいて、河道掘削工事を集中的に進めるほか、堤防の天端舗装等による危機管理型ハード対策を進める。河道掘削土は、台風により流出した農地復旧等に引き続き活用していく方向で調整を進めている。また、土砂災害防止に向けて戸蔦別川での砂防えん堤の整備を引き続き行う。
 道路事業では、高速ネットワークの推進のため、帯広・広尾自動車道の忠類大樹から豊似における調査・設計、十勝オホーツク自動車道の小利別から陸別における橋梁工事など早期開通に向けた事業を展開していく。
 そのほか、「道の駅」の活用・充実を支援し、ドライブ観光やサイクルツーリズムの振興のため情報発信や環境整備を進める。
 農業農村整備事業では、国土強靱化対策として国営かんがい排水事業を実施し、芽室川西(1期)地区ほか5地区で農業水利施設の保全・更新を行い安定した農業生産の確保を図る。また、国営農地再編整備事業として中鹿追地区では、大型機械の作業性向上のためほ場の大区画化と排水路・農道の再編整備を行う。

―建設業界への要望・期待など

 災害時の初期対応や、その後の復旧に尽力されるなど、十勝の強靱化にとって欠かせない存在であると認識している。北海道沖での地震も懸念されており、当部にとっても防災・減災は喫緊の課題となっているため、業界の方々と同じ問題意識で被害の最小化を模索していきたい。
 また、建設業は地元にとって雇用を創出する産業でもあることから、継続して行われているインターンシップによる人材確保や現場見学会など、業界の魅力を伝える取組には当部としても協力していきたいと考えている。

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