オホーツクの可能性再認識/効果的・効率的に事業執行/新任副局長リレーインタビュー【4】網走建管 宮下 忠昭 氏
2018/07/09付 連載・特集
―新任の抱負について
一昨年に大きな被害をもたらした台風をはじめとする自然災害に対し、ハード・ソフト両面からの防災対策を進めていくことが大変重要となっている。オホーツク管内は、世界自然遺産登録された「知床」やラムサール条約登録湿地に指定された「濤沸湖」など、森と湖と海とが調和した豊かな自然を有している。この特色のある、恵まれた自然環境と調和を図りながらも、安全・安心で個性ある地域づくりを行うため、地域の意向や実情を踏まえながらも選択と集中の視点に立って、より効果的・効率的な事業執行に努めていく。
―管内の印象について
佐呂間町の出身でもあり管内での勤務も2度目になるが、着任以降、各地を訪れる機会を得て、あらためてオホーツク管内の広大さを痛感している。また、基幹産業である農林水産業や、知床をはじめとする各地域の観光産業など、様々な立場から、それぞれの地域特性を生かした地域振興の取組がなされていて、管内のもつ可能性というものを再認識している。
―本年度の主要事業について
道路関係事業では、オホーツク管内は、岐阜県の面積に匹敵する広い地域に約30万人が暮らす道内でもひときわ広域分散型社会の色合いが強い地域であることから、管内や管外との交流促進や物流の効率化、観光振興などに資する道路ネットワークの拡充整備に努めるとともに、「橋梁などの老朽化対策」「危険箇所の解消」「地域医療を支援する道路整備」などを引き続き進めていく。主な事業としては、北見津別線で登坂車線の整備と万代橋の架け替えを含めた線形改良、3・5・51川東通では常呂川に架かる長大橋の整備、また、3・3・5とん田通では、4車線化を鋭意進めていく。
治水関係事業では、近年全国的に多発している集中豪雨や台風による水害、土砂災害等の自然災害に対応する安全性の高い施設の整備を進めていく。整備に当たっては、安心できる国土の形成(安全)、自然環境と調和した生きている川づくり(うるおい)、個性あふれる地域づくりと連携強化の支援(活力)、人と水のかかわりの再構築(ふれあい)の4本柱に基づき、28年の大雨出水で被害の大きかった無加川や斜里川などで河川改修を進めていく。
漁港事業では、29~33年を期間とする漁港漁場整備長期計画第四次に基づき、物流効率化やHACCPなどの品質・衛生管理にも対応する漁港施設の整備として、常呂漁港、沙留漁港、沢木漁港などで静穏対策等を鋭意進めていく。海岸事業では、侵食を防止して国土保全に努めるとともに、人命・家屋・財産を高潮、波浪などから守るため、越波の著しい元稲府漁港海岸で整備を進めていく。
―建設業界に期待することについて
公共施設の整備や維持管理はもとより、災害時の対応などに関して、この地域に精通した建設業界の皆さんの高い技術力や施工能力は大変重要であり、建設業は我々の目的を達成するには、なくてはならない重要なパートナーであると認識している。今後も、蓄積された技術・知識・人材等の持てる力をいかんなく発揮していただき、このオホーツク地域をさらに魅力のある地域にしていただきたいと願っている。その他の連載・特集 一覧
地域ニーズ 的確に把握/建設業と連携し生産性向上を/新任副局長リレーインタビュー【3】留萌建管 勝谷 裕 氏
2018-07-06付 連載・特集
―新任の抱負について ことしは、本道が「北海道」と命名されて150年目の節目の年。この広大、積雪寒冷の地で歴史を育むことを可能としてきたのは、先人が着実に広域交通や地域内交通のネットワークをはじめ、治水や防災施設などといった社会資本の整備、...地域の声聞き組織で対応/暮らしを守るインフラ整備へ/新任副局長リレーインタビュー【2】旭川建管 谷山 剛 氏
2018-07-05付 連載・特集
―新任の抱負について 一昨年、本道では、史上初めて4つの台風が上陸・接近し、記録的な豪雨によって各地が甚大な被害を受けた。上川管内も、中南部地域を中心に大規模な浸水が発生したほか、道路や堤防が決壊するなど多くの施設が被災した。本年度で復旧が...インフラの役割 一層重要に/建設業界と連携し取組推進/新任副局長リレーインタビュー<2018>【1】札幌建管 天沼 宇雄 氏
2018-07-03付 連載・特集
一昨年、昨年と、異常気象による大規模な災害が発生し、災害への備えがあらためてクローズアップされるとともに、地域の安全・安心を担う建設産業の重要性が再認識されている。一方で、働き方改革関連法案が成立するなど、建設産業を取り巻く環境が大きく変...現場に役立つ研究を最優先/研究者が高い意識もてる環境へ/新任インタビュー<2018>③ 寒地土木研究所長 柳原 優登氏
2018-06-21付 連載・特集
寒地土研では第4期中長期計画(28~33年度)に基づき、17の研究開発プログラムの事業に取組んでいる。研究機関の役割は「建設現場のイノベーション」。技術開発や技術者のマニュアルとなる指針を整理し、道路・河川・港湾・農業等の様々な部門で寒冷...受発注者協力し働き方改革を/にぎわい創出の視点で道住整備/新任インタビュー<2018>② 北海道建設部建築企画監 平向 邦夫氏
2018-06-20付 連載・特集
ことし4月、平向邦夫氏が道建設部建築企画監に就任した。道議会庁舎改築や札幌医科大学施設整備など、大規模公共建築事業が着実に進む一方で、民間大規模建築物の耐震化や、国の働き方改革関連法案の衆院通過など、取り組むべき課題も山積している。本道全...世界と渡り合える“食”を/基盤整備の重要性さらに高まる/新任インタビュー<2018>① 北海道農政部長 梶田 敏博氏
2018-06-19付 連載・特集
TPP11などの動きにより、本道における農業農村整備事業の重要性が高まっている。世界的な知名度を誇る道産食品のブランド力を守り、さらに高めていくためには、生産のベースを築く基盤整備の推進が不可欠となる。農業者や技術者の担い手不...インフラ起爆剤に地域活性化/官民連携で働き方改革実現/新任開建部長リレーインタビュー③<留萌> 船木 淳悟 氏
2018-05-23付 連載・特集
―管内の印象について 留萌開建は初めての勤務だが、自宅がある滝川市から近くなじみが深い地域。タコ、甘エビ、シジミやニシン加工品などの水産物ばかりでなく、和牛やサフォーク羊といった食肉、リンゴなどの果樹、全道最高金賞を受賞した留萌地区産「ゆめ...食と観光支える基盤整備に注力/建設業の魅力伝える取組支える/新任開建部長リレーインタビュー②<帯広> 細井 俊宏 氏
2018-05-22付 連載・特集
―管内の印象と新任の抱負について 十勝での勤務は初めてとなるが、農業農村整備事業に携わっていた経験から「十勝=農業王国」との印象を強く持っている。 28年夏の台風被害については、被災直後に現地入りし深刻な事態であると認識した。農業部門におい...