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災害に強い地域づくりが使命/魅力あふれる十勝の発展へ/新任副局長リレーインタビュー【5】帯広建管 星野 信哉 氏

2018/07/10付 連載・特集
帯広建管 星野 信哉 氏 画像
星野 信哉(ほしの・のぶや)氏
 昭和59年岩手大工学部卒。平成27年道建設部都市計画課新幹線基盤支援担当課長、29年道建設部都市計画課長を経て、4月1日付で現職。
 昭和35年6月17日生まれ、58歳。登別市出身。

―新任の抱負について

 近年、自然災害が多発化、激甚化する傾向となっており、十勝管内では、一昨年8月の台風等による大雨により甚大な被害が発生した。被災地域の早期復旧に向けて全力で取り組むとともに、地域の皆さんの生命・財産を守り、安全で安心な暮らしが実感できるよう、「災害に強い地域づくり」を進めることが我々の使命であると考えている。
 また、これまで整備してきた橋梁や、樋門などの土木施設の老朽化が急速に進むことから、既存施設の機能を最大限に発揮させるための適切な維持管理や計画的な修繕などによるインフラ長寿命化を推進する。
 さらに、十勝および道東地域全体の高速ネットワーク化、物流の効率化、緊急搬送の強化などに資する道横断道や帯広広尾道の整備促進が図られており、帯広建管としても、高規格幹線道路へのアクセス向上のための道路整備を推進するほか、良好な河川環境の保全を図るなど、十勝の農業や観光を支える道路や河川等の整備を促進し、魅力あふれる十勝の発展のため取り組んでいく。

―管内の印象について

 十勝は、雄大な日高山脈を背景に、豊かな自然と暮らしが織りなす美しい風景を有する十勝平野が広がり、日本を代表する食糧供給基地としての役割を担うとともに、温泉、ガーデン、体験施設など様々な観光が楽しめる、多様な魅力と活力ある地域と感じている。

―本年度の主要事業について

 道路事業では、川西芽室音更線(帯広市)において、十勝川に架かる老朽化が進行している中島橋の架換工事に26年度に着手しており、29年度から3ヵ年で橋梁上部工を施工し、31年度の供用開始を予定している。
 街路事業では、帯広市内の幹線道路で唯一の未整備区間である3・3・10共栄通(帯広市)の1.5キロメートル区間について、27年度に事業着手しており、30年度は、橋梁工、道路工等を施工する予定。共栄通の整備により30年11月に移転開業する帯広厚生病院と、道東道音更帯広ICへのアクセスが強化されるとともに、共栄通周辺の幹線道路の渋滞緩和などが期待される。
 治水事業では、帯広市街地の治水安全度向上のため、ウツベツ川、柏林台川、帯広川中流地区や伏古別川について、掘削、護岸などの整備を促進する。

―28年夏の台風災害からの復旧状況について

 28年8月の台風等による大雨による被災個所373ヵ所のうち、30年3月までに241ヵ所の発注が完了している。30年度においては、昨年度発注済みの繰越事業を含め、公共災害復旧事業で道路18ヵ所、河川砂防施設243ヵ所の復旧を進める。
 河川のうち、芽室川(芽室町)、ペケレベツ川(清水町)、パンケ新得川(新得町)においては、改良費を加えた災害関連事業等で掘削や堤防・護岸等の整備を行い、再度災害の防止を図っていく。
 道路のうち、鹿追糠平線(鹿追町)、本別本別停線(本別町)および東瓜幕芽室線の風雲橋(音更町)においては、復旧工事を進め30年度の供用開始を予定している。

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