食、観光の発展へ全力/各種事業で強靭な国土形成/新任開建部長リレーインタビュー③<網走>渡邊 政義氏
2018/10/04付 連載・特集
―管内の印象と新任の抱負について
第8期北海道総合開発計画のキャッチフレーズ「世界の北海道」を目指す上で、「食」・「観光」の資源が豊富にあるオホーツク管内は、他地域の見本となる重要な地域と認識している。戦略的産業としての育成が求められ、一次産業を下支えするためにも、生産者など地域の声を聞きながらオホーツク地域発展に向けた各種事業を推進していきたいと考えている。また、地域住民の安心・安全の確保を図るため、防災・減災対策やインフラ老朽化対策等による国土強靭化に向けた取組を推進していく。
―本年度の主要事業について
「食」と「観光」の生産空間を守り、発展させるため、道路、治水、港湾・漁港、農業農村整備を各種進めていく。道路では、旭川紋別道遠軽瀬戸瀬IC~遠軽IC間の早期開通や地域高規格道路の整備を推進するほか、ミッシングエリアとなっている女満別空港までの端野~北見間の事業化に向けた取組を、関係自治体などと一丸となり進めていく。また、開建が所管する管内約900kmの国道においては、維持除雪を含めた管理を徹底し、社会サービスが途絶えないよう努める。
治水においては、近年頻発している洪水災害に備え、所管する1級水系4河川において、流下能力が不足する個所の河道掘削や堤防の天端舗装を進め、治水安全度の向上を図り、安全で安心な生活基盤の形成に努める。
漁港・港湾整備では、重要港湾である網走港・紋別港において、荷揚げの効率・安全性を高めるため、防波堤整備による港内静穏度の向上を図るほか、水産物の衛生管理など、食の安全性を高めるため屋根付き岸壁等の整備を推進する。サロマ湖漁港等では、管内を代表する「ホタテ」漁を支えるため、湖口の浚渫等を進めるなど、本地域の食料供給力の強化を図る。
農業農村整備では、管内は畑作・酪農を主体に大規模土地利用型農業や水田、野菜など多様な農業が展開されている。雨量が少ない地域では、水の安定供給を図るためのかんがい事業を進めると同時に、大雨・豪雨から農作物を守るための排水改良を実施していく。酪農が盛んな自治体では、競争力向上を図るための大区画化など、生産基盤整備を進める。
―建設業界への要望・期待など
建設業界は、地域の安心・安全を守るための防災・減災対策やインフラメンテナンスのほか、地域の広域的発展に向けた社会資本整備の一翼を担う、地域にとってなくてはならない大事な存在と認識している。業界では、担い手となる技術者の確保・育成が大きな課題として残っているが、地元発注者の長として、週休2日制工事の推進など、労働環境改善による業界のイメージアップに努めるなど、連携を図っていきたい。
その他の連載・特集 一覧
災害対応、防災対策に全力/地域全体で建設技術者育成/新任開建部長リレーインタビュー①<室蘭>米津 仁司 氏
2018-10-04付 連載・特集
第8期北海道総合開発計画は、ことしで3年目を迎えた。食と観光を支える生産空間の持続・発展に向けた施策、経済発展に不可欠な物流・人流網の整備、社会資本の老朽化対策なども精力的に進められている。一方で、建設業においては、働き方改革関連法案の成...建設業の働き方改革期待/釧路港国際物流ターミナル供用へ/新任開建部長リレーインタビュー②<釧路>伊藤 晃 氏
2018-10-04付 連載・特集
―管内の印象について 釧路管内は初めての勤務だが、わが国の食を支える重要な食糧基地と再認識した。また、阿寒湖、釧路湿原等に代表されるような観光資源も多い。近年は、日本全国が暑さに見舞われる中、夏の涼しさは貴重な資源だと実感している。当地域が...釧根のポテンシャル向上へ/着実にインフラ整備を推進/新任副局長リレーインタビュー【6】釧路建管 別所 博幸 氏
2018-07-11付 連載・特集
―新任の抱負について 釧路・根室管内は、平成5年に釧路沖地震、26年に根室高潮災害、一昨年には台風による豪雨災害など、これまで幾度も大規模な自然災害に見舞われてきた地域といった印象がある。昨今は、北海道東部沖で巨大地震が発生する可能性も言わ...災害に強い地域づくりが使命/魅力あふれる十勝の発展へ/新任副局長リレーインタビュー【5】帯広建管 星野 信哉 氏
2018-07-10付 連載・特集
―新任の抱負について 近年、自然災害が多発化、激甚化する傾向となっており、十勝管内では、一昨年8月の台風等による大雨により甚大な被害が発生した。被災地域の早期復旧に向けて全力で取り組むとともに、地域の皆さんの生命・財産を守り、安全で安心な暮...オホーツクの可能性再認識/効果的・効率的に事業執行/新任副局長リレーインタビュー【4】網走建管 宮下 忠昭 氏
2018-07-09付 連載・特集
―新任の抱負について 一昨年に大きな被害をもたらした台風をはじめとする自然災害に対し、ハード・ソフト両面からの防災対策を進めていくことが大変重要となっている。 オホーツク管内は、世界自然遺産登録された「知床」やラムサール条約登録湿地に指定さ...地域ニーズ 的確に把握/建設業と連携し生産性向上を/新任副局長リレーインタビュー【3】留萌建管 勝谷 裕 氏
2018-07-06付 連載・特集
―新任の抱負について ことしは、本道が「北海道」と命名されて150年目の節目の年。この広大、積雪寒冷の地で歴史を育むことを可能としてきたのは、先人が着実に広域交通や地域内交通のネットワークをはじめ、治水や防災施設などといった社会資本の整備、...地域の声聞き組織で対応/暮らしを守るインフラ整備へ/新任副局長リレーインタビュー【2】旭川建管 谷山 剛 氏
2018-07-05付 連載・特集
―新任の抱負について 一昨年、本道では、史上初めて4つの台風が上陸・接近し、記録的な豪雨によって各地が甚大な被害を受けた。上川管内も、中南部地域を中心に大規模な浸水が発生したほか、道路や堤防が決壊するなど多くの施設が被災した。本年度で復旧が...インフラの役割 一層重要に/建設業界と連携し取組推進/新任副局長リレーインタビュー<2018>【1】札幌建管 天沼 宇雄 氏
2018-07-03付 連載・特集
一昨年、昨年と、異常気象による大規模な災害が発生し、災害への備えがあらためてクローズアップされるとともに、地域の安全・安心を担う建設産業の重要性が再認識されている。一方で、働き方改革関連法案が成立するなど、建設産業を取り巻く環境が大きく変...