災害対応、防災対策に全力/地域全体で建設技術者育成/新任開建部長リレーインタビュー①<室蘭>米津 仁司 氏
2018/10/04付 連載・特集
第8期北海道総合開発計画は、ことしで3年目を迎えた。食と観光を支える生産空間の持続・発展に向けた施策、経済発展に不可欠な物流・人流網の整備、社会資本の老朽化対策なども精力的に進められている。一方で、建設業においては、働き方改革関連法案の成立もあり、週休2日をはじめ、担い手の確保・育成に向けた取組が加速。こうした中、ことし7月31日付の人事異動で室蘭、釧路、網走、稚内の4開建で部長が交代した。新任部長に抱負や建設業界に対する期待などを聞いた(インタビューは8月に実施)。―管内の印象と新任の抱負
胆振・日高管内は海岸線が非常に長い地域であり、太平洋に面していることから台風の影響を受けやすく、地震も多い地域である。また、登別・白老は道内でも有数の多雨地域であり、さらに胆振管内には有珠山、樽前山、倶多楽の3つの活火山を抱えており、災害に対して注意が必要な地域であるため、災害対応、防災対策に対する備えに万全を尽くし、地域の支援をしていきたい。
また、自治体や関係機関との連携強化、地域住民の防災意識を高める取組を進めていく。
一方、管内には登別や洞爺湖をはじめとした温泉地、日高の軽種馬、2年後には白老町に民族共生象徴空間が開設されるなど、多種多様な観光につながる資源があり、魅力ある地域である。インバウンドも含めた交流人口の増加が見込まれ、点在する様々な魅力をつなげば、大いに発展が期待できる地域だと思う。
地域の盛り上がりをしっかりと支え、地域の特色を伸ばせるような社会資本整備を意識しながら、地域の発展に貢献していきたいと考えている。
―本年度の主要事業について
治水事業では、平取ダム本体工事、鵡川・沙流川の河川改修、樽前山の砂防施設整備および胆振海岸の人工リーフの整備を行う。道路事業では、高規格幹線道路日高自動車道の整備や453号蟠渓道路等の防災事業、276号緑跨線橋架替などの耐震対策のほか、観光渋滞の解消や民族共生象徴空間へのアクセス改善などを目的として、昨年度事業化された36号白老拡幅は、一部区間で工事に着手しているところである。
港湾整備事業では、室蘭港や苫小牧港等で老朽化した岸壁の機能回復や荷役の安全性向上を図るための施設整備を、水産基盤整備事業では、登別漁港や庶野漁港等で漁業活動の安全性の向上や水産物の衛生管理対策に資する施設の整備を行う。
農業農村整備事業では、農業経営力強化につなげるため、勇払東部(2期)地区、フモンケ地区および新鵡川地区において、用排水施設の整備を行う。
―建設業界に対して
建設業は、地域インフラの整備やメンテナンス等の担い手であると同時に、地域経済・雇用を支え、災害時には最前線で地域社会の安全・安心の確保を担う地域の守り手として大きな役割を果たしていただいている。一方で、将来の担い手確保・育成は喫緊の課題となっている。人口減少下にあっても地域の建設業が技術力を保持し、地域の安全・安心を実現していくため、当部としても「日胆地区これからの建設技術者を育てる会」を通じて建設業界の人材育成に積極的に取り組んでいく。
また、土木系の学生を対象とした現場見学会やインターンシップの受け入れを継続するとともに関係機関と連携し地域ぐるみで建設技術者の育成を進めていきたい。
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