地域の可能性 現実の力に／生産・交通基盤整備であと押し／新任開建部長リレーインタビュー④＜稚内＞熊谷 政行 氏

―管内の印象と新任の抱負

　宗谷の人たちは皆前向きで、地域の産業をどうやって盛り上げていこうか新しいことを考えている。そんな地域の人たちの積極的な取組に協力していきたい。
　北海道総合開発計画が掲げる「世界の北海道」を目指していく中で、宗谷地域は、酪農や水産業、自然環境や観光など、世界に打ち出していけるポテンシャルのある地域だと認識している。そのポテンシャルを現実の力にしていくため、生産基盤や交通基盤を整備し地域を下支えすることで、地域の期待に応えていきたい。

―本年度の主要事業

　道路では、地吹雪による視程障害解消のため４０号天塩防災、海岸浸食による道路破損解消のための２３８号浜猿防災、交通安全対策として２３８号山臼歩道整備・問牧歩道整備や２７５号敏音知事故対策など、無電柱化として４０号稚内中央電線共同溝を実施する。
　港湾整備では、稚内港で大型クルーズ船の受入環境改善を図る末広ふ頭地区東岸壁の改良と北ふ頭地区北防波堤ドームの老朽化対策を進めるほか、地方港湾５港で物揚場や岸壁、防波堤等の改良を行う。
　空港整備では、稚内空港で滑走路の舗装改良や老朽化した場周柵の更新、滑走路端安全区域の拡張整備を進める。
　農業農村整備では、農用地や農業用施設の機能回復を図る国営総合農地防災サロベツ地区ほか４地区、生産基盤の整備と土地利用の整序化を図る国営農地再編整備東宗谷地区を展開してく。
　水産基盤整備では、東浦漁港で衛生管理対策を図る岸壁や抜海漁港で港湾結氷の抑制を図る防波堤撤去、礼文西漁港と仙法志漁港で防波堤・護岸等の整備を進める。

―建設業界に対して

　社会基盤の整備はもちろん、災害時の復旧対応においても建設業は非常に活躍しており、地域にとって欠くことのできない存在。また、社会貢献活動にも積極的に取り組み、地域の経済界においても多くの人が中心となって活躍されており、我々としても大変期待している。
　今後の建設業を支える人材の確保・育成が大きな課題となっているが、働き方改革の取組を地域の実情に合わせてどうやって進めていくか、業界の意見を聞きながら一緒になって考えていかなければならない。
　週休２日は働き方改革の肝。これから就職する人たちにとって待遇面は大きな関心事になると思うので、待遇の改善を進めていき、若い人たちに建設業の正しい実態ややりがいなどをアピールしていくことが鍵となる。