２１年度 ３建管で試行／札幌など 損傷度勘案し選定／道建設部 撮影動画による舗装目視点検

　道建設部は、新たな要領およびガイドラインに準じた舗装目視点検に関し、２０２１年度に試行する建管の選定を進めている。車両に設置した高感度ビデオカメラの撮影動画を用い、モニターを通じた遠隔からの目視点検や、スマートフォンの機能を生かした平坦性計測などを行うもの。損傷の進行が早い道路（Ｂ区分）の点検を優先しており、各建管が所管するＢ区分の延長を踏まえると、札幌、函館、旭川などが候補として考えられる。早期の実用化に向けて、試行を進めていく。
　道は１８年３月、維持管理コストの縮減と平準化を両立させるため、北海道舗装長寿命化修繕計画を策定。計画に基づき、舗装点検の基本方針を示した舗装点検要領と、舗装点検の方法に関する考え方を取りまとめた舗装点検ガイドラインを作成した。
　舗装点検要領では、路線の役割やストック量などをもとに、道路をＡからＤの４つのレベルに分類。高規格幹線道路をＡ、損傷の進行が早い道路をＢ、損傷の進行が緩やかな道路をＣ、生活道路をＤとし、ＢとＣを道道の対象と定めた。
　点検は車上・徒歩による目視を基本としていたが、業務円滑化に向けて道建設部は本年度、室蘭、稚内、帯広の３建管において、車両に設置した高感度ビデオカメラによる目視点検や、スマートフォンを用いた平坦性計測などの試行に着手。モニターに映した撮影動画を目視点検するもので、スロー再生で５メートルごとに損傷レベルを評価した。
　早期の実用化を目指し、今後は年度ごとに３建管を抽出し、試行を進めていく方針。現在は、２１年度に試行する建管の選定作業を進めている。Ｂ区分の点検を優先することを踏まえると、Ｂ区分の所管延長が上位の建管から選ばれるもよう。予算の配分によって流動的だが、現時点のデータをみると、札幌、函館、旭川などが有力な候補として考えられる。