岩尾内など３ヵ所に着手／夕張川上流で新規開発調査／２１年度発電施設大規模改修等 － 道企業局

　道企業局が計画する発電施設の大規模改修等に関し、現時点の事業スケジュールがまとまった。２０２１年度は、岩尾内（士別市）、ポンテシオ（士別市）、滝下（夕張市・栗山町）に事業着手するほか、鷹泊（深川市）において建屋の耐震補強を実施。夕張川上流地点では、新規発電所の開発に向けた可能性調査にも乗り出す。流動的な要素を残すが、２４年度は鷹泊、２８年度は川端（栗山町・由仁町）への事業着手も見込んでいる。

　道企業局では、健全かつ安定的な経営の確保に向け、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」を策定。国内消費市場の縮小等による電力・工業用水の需要の減少など、現状の課題を克服するため、中長期的な視点に立って各種施策に取り組むとしている。
　老朽化が進行する発電所に関しては、経営状況や経済性を考慮しつつ、順次改修を進める方針。２１年度は、岩尾内、ポンテシオ、滝下に事業着手するほか、鷹泊における建屋の耐震補強を行う。
　岩尾内では、工事費約３０億円を投じ、発電所本館、水車発電機、変電所更新などの大規模改修を計画。事業完了は２８年度を予定している。
　ポンテシオ、滝下では、オーバーホールに合わせ老朽化した水車ランナを従来型より高効率なランナに更新し、発電電力量や出力の増加を図る「リパワリング」を施す。工事費はそれぞれ約１５億円、約７億円となっている。
　事業期間については、両発電所とも関係機関との協議や機器の納期等の影響で当初から変更。ポンテシオは２１年度から２５年度まで、滝下は２１年度から２３年度までに改めた。
　このほか２１年度は、新規発電所の開発に向けた可能性調査も実施。夕張川上流地点の調査・検討を進め、経済性の確保を見込むことができれば、より詳細な調査に移行することとなる。
　２４年度は鷹泊、２８年度は川端における大規模改修事業にも着手する意向。鷹泊の工事費には６５億円を試算している。