最大２０m超９地点に／釧路町２６.５m、えりも町２６m／太平洋沿岸津波浸水想定でＷＧ －道

　道防災会議地震火山対策部会地震専門委員会の津波浸水想定設定ワーキンググループ（以下、ＷＧ）は２４日、道庁本庁舎で第３回会合を開いた。国が公表した日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデルを踏まえ、太平洋沿岸の津波浸水想定を設定するもの。会合では、道内３８地点における津波浸水シミュレーションの結果を提示。最大津波高が２０メートルを超えたのは、釧路管内を中心に９地点にのぼっている。最大は釧路町の２６.５メートルで、えりも町が２６メートル、広尾町が２５.４メートルなどとなった。津波浸水想定は来月にも設定・公表する。
　ＷＧの検討対象となっている太平洋沿岸は、国の地震調査委員会の報告によると、大津波をもたらす巨大地震の発生が切迫。災害に強い地域づくりが求められる中、道では速やかに津波浸水想定を設定し、津波災害警戒区域の指定や減災目標の策定を行う方針を示している。
　津波浸水想定は、津波防災地域づくりに関する法律に基づき設定するもの。最大クラスの津波が悪条件下において発生した場合に想定される浸水の区域と水深を定める。
　今回のＷＧでは、津波浸水シミュレーションの結果を報告。計算条件は国交省の手引きに準拠し、津波断層モデルは地域海岸ごとに最大のものを選定した。最大津波高が２０メートルを超えたのは、根室市、釧路市、釧路町、厚岸町、浜中町、広尾町、豊頃町、浦幌町、えりも町の９地点。釧路町が最大の２６.５メートルで、えりも町が２６メートル、広尾町が２５.４メートルなどとなった。
　津波浸水想定は、地震専門委員会への報告などを経て、来月に設定・公表する予定。巨大地震は今後３０年以内に発生する可能性が高いとされており、ハード・ソフト両面からの対策をより一層加速させていくことが求められる。