道営 団体営 ２１３４ｈａ／省力化や地下かんがい可に／道農政部 集中管理孔整備２０年度実績

　道農政部は、本道における集中管理孔の２０２０年度整備実績をまとめた。道営および団体営の実績を集計したもので、水田地帯において２１３４.４ヘクタールを整備。過去の実績も含めた累計では、約２万４０００ヘクタールに及ぶ。同部は、暗渠の維持管理の省力化が図られるほか、地下かんがいとしての利用も可能となることから、引き続き集中管理孔の整備を積極的に進めていく意向だ。

　集中管理孔は、用水路と暗渠排水上流部を管理孔桝で接続し、暗渠内部にかんがい用水を注入することで、暗渠管内を容易に清掃できるシステム。暗渠末部の水位調整型水閘を操作することにより、地下水位を上げて作物の根群域に水分を供給する地下かんがいシステムとしても利用できる。
　設置は１５年以上前から進み、２０年度末までに道営、団体営合わせ約２万４０００ヘクタールを整備。近年の状況をみると、１７年度が１７５３.７ヘクタール、１８年度が１８４８.６ヘクタール、１９年度が２２４２.８ヘクタール、２０年度が２１３４.４ヘクタールと、２０００ヘクタール程度で推移している。
　集中管理孔の大部分は道営事業で整備。水田の暗渠排水整備面積に占める集中管理孔の整備率は約８０％となっている。
　現在、空知や上川を中心に設置が進められているが、他の振興局においても普及に向けた取組を推進。渡島では、関係機関・団体の職員を招いての研修会を開催した。
　同部の担当者は「経営規模の拡大や担い手の高齢化により、集中管理孔を利用した地下かんがいシステムと組み合わせた直播栽培が、省力化の取組の一つとして注目されている」と説明。今後も集中管理孔の整備を積極的に進めていく考えだ。