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安定的な予算確保を/新・担い手3法深化・定着など議論/全建と国交省 北海道地区地域懇

2021/11/01付 DOTSU-NET NEWS
 全国建設業協会(奥村太加典会長)と国土交通省の2021年度地域懇談会が10月29日、札幌ガーデンパレスで開催された。関係者約40人が出席。新・担い手3法のさらなる深化・定着、中長期的な担い手確保・育成、コロナ禍を乗り越えるサスティナブルな地域建設業をテーマに意見を交わした。国交省は安定的、持続的な公共事業予算の確保に力を入れていくとしたほか、週休2日の実現等に向けて、取組が遅れている市町村への指導に努めるとした。

 会議には北海道建設業協会傘下の各地方建協会長、全建の幹部、国土交通省、開発局の幹部が出席した。
 開会あいさつに立った道建協の岩田圭剛会長は、経済活性化のための需要喚起につながる政策効果の高い取組の必要性を強調。地域建設業として「打撃を受けた地域経済回復の原動力としての役割を果たす」とし、働き方改革の促進、建設現場での生産性向上に努めていくとした。
 国土交通省不動産・建設経済局の増田嗣郎官房審議官は、9月の建設4団体との意見交換会をふまえ、「ダンピング対策の徹底、新3Kの魅力ある産業としていくために連携を図り取り組んでいく」とし、安定的、持続的な公共事業予算の確保に全力を挙げる姿勢を強調。さらに森戸義貴大臣官房技術調査課長は働き方改革にふれ、「デジタル化の流れが急速に進んでいる。遠隔臨場や3次元点群データの活用などに一生懸命、取り組んでいる。若い人たちがこの世界にはいってこれるようにしたい」とし、次代を見据えた環境づくりへ協力を要請した。
 全建の奥村太加典会長は、地域建設業が民間工事の中止、先送り、市町村工事の減少などにより厳しい状況に置かれているとし、「建設投資による内需の創出と雇用拡大が不可欠」と、社会資本整備の着実な整備の重要性を示し、「地域の守り手としての使命に加え、ポストコロナの新たな時代において、新しい地域のつくり手として、その中心的な役割を務めていかなければならない」とした。
 引き続き、国交省、全建からの提案議題、道建協からの要望事項についての説明、意見交換に。
 道建協は、公共事業予算の確保について、当初予算における事業量確保・大幅な増額を求めたほか、国土強靱化加速化対策予算につても22年度以降、当初予算における別枠として計上するよう要請。併せて、経済対策としての補正予算の編成も求めた。
 社会資本整備の促進については、流域治水対策の緊急的・集中的実施、高規格幹線道路網の未整備区間の解消および創成川通(都心アクセス道路)の早期着手、港湾施設、農業・水産基盤施設の整備推進、老朽化対策・メンテナンスの計画的な整備などを要請した。
 働き方改革においては、中建審が勧告した「工期に関する基準」について、民間事業者を含むすべての発注者に周知することを求めたほか、積雪寒冷地を対象に実情に沿った積算歩掛の改善、現場実態にあったコストの積算を要請。公共工事設計労務単価のさらなる引上げの取組推進も訴えた。
 CCUSについては、加入企業、登録技能者双方の実質的な利点を明確化し、加入企業の負担軽減のための機器導入等の経費を公共事業の積算に計上すること、利用促進を図る環境整備等を求めた。
 新・担い手3法については、随意契約・指名競争入札の活用、繰越制度、債務負担行為の活用等による施工時期の平準化を要請。特に市町村における徹底を求めた。
 国交省は強靱化対策の当初予算での別枠計上については「しっかり取り組んでいく」とする一方、補正予算での予算確保にも努めるとし、必要額の確保を優先していく考えを示した。併せて、安定的、持続的な公共事業量確保に意欲を示した。
 新・担い手3法に関しては、適正工期の確保、週休2日の実現、長時間労働の是正に取り組んでいくとし、取組が遅れている市町村に対し、公契連や発注者協議会等を活用し指導を行っていくとした。
 このほか、道建協側はプレキャストの積極的な活用も要請。国交省はコスト面も含め大型のプレキャスト活用についても検討していく考えを示した。
 一方、CCUSについて国交省は、業界等からいろいろな課題、問題についての意見を聴取しているとし、課題を共有しながら改善に取り組んでいくとした。

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