河道掘削延長４８キロメートルに／全国初 気候変動踏まえた見直し／開発局 常呂川河川整備計画変更

　【網走発】開発局は、１０日付で常呂川水系河川整備計画を変更した。気候変動を踏まえた河川整備計画の見直しは全国で初めてのケースで、近年の洪水や気候変動の影響、流域治水の観点を盛り込んでいる。北見地点における目標流量を秒速１４００立方メートルから秒速１７００立方メートルに拡大し、河道掘削の施工延長を計４８.４キロメートルとした。
　開建は、２００９年２月に常呂川水系河川整備計画（国管理区間）を策定。１６年８月北海道大雨激甚災害の発生、全国で頻発する洪水を受けた法改正や答申などを踏まえ、開発局は常呂川河川整備計画検討会を設置し、同計画の見直しを進めてきた。
　主な変更点をみると、河川整備計画の目標流量について、これまでの計画では北見地点で秒速１４００立方メートルと設定していたが、北海道大雨激甚災害などを踏まえ秒速１７００立方メートルに見直した。河道配分流量は北見地点で秒速１６００立方メートル、仁頃川合流後の河口地点で秒速２０００立方メートルとしている。
　目標流量の拡大を踏まえ、河道掘削の施工場所を変更した。施工個所は、常呂川がＫＰ１.８～ＫＰ２９.４の約２７.６キロメートル、ＫＰ３８.２～ＫＰ３９.４の約１.２キロメートル、ＫＰ５０.４～ＫＰ５８.０の約７.６キロメートル、ＫＰ７４.６～ＫＰ８６.０の約１１.４キロメートル、無加川がＫＰ０.６～ＫＰ１.２の約０.６キロメートル。常呂川と無加川の河道掘削延長がこれまでの計画から約２８キロメートル追加され、施工延長は合計で約４８.４キロメートルとなる。
　変更計画の計画期間は、必要に応じ見直しを行うこととし、２２～５１年の概ね３０年としている。