先進的取組詳細に紹介／生産性向上と高品質実現／開発局 ｉ―Ｃｏｎ奨励賞事例集

　開発局は、ｉ―Ｃｏｎ奨励賞２０２２取組事例集を作成した。２２年度に受賞した工事２５件、業務２２件の生産性向上と先進的な取組などを詳細に掲載。効率化を図りながら、高い品質と安全性の確保を実現するなど参考となる事例を紹介している。事例集は同局ホームページで公開。ｉ―Ｃｏｎ奨励賞のページからアクセスできる。
　開発局は、建設現場における生産性向上に優れた取組を表彰することで、インフラＤＸ・ｉ―Ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ導入に向けた意欲向上を図ることを目的に、２０年度にｉ―Ｃｏｎ奨励賞を創設した。２２年度は工事２５件、業務２２件が受賞。受賞した現場の取組を事例集としてまとめた。
　岩田地崎建設（株）が施工した「一般国道２３０号札幌市北一条地下発電機室設置工事」では、供用中の道路交通に挟まれた狭あいな個所で地中内の地下埋設物が多い現場条件において、３次元シミュレーションソフトウエアで通行規制時における条件の再現、地上型レーザースキャナによる現況計測・３次元モデルによる施工計画、音声コマンド型ウェアラブルカメラを活用した遠隔臨場を実施。施工時の安全確保や作業の省力化・効率化を図った。
　（株）福田水文センターが履行した「千歳川外流量観測業務」では、取組事例が少ないラジコン式ＡＤＣＰを活用することで大幅な作業時間短縮を実現した。現行法では、有人船と河川を横断する固定ワイヤロープの設営が必要で３時間要するが、横断ワイヤと有人船が必要ないラジコン式ＡＤＣＰ法（超音波ドップラー式+精密法）で計測時間は１０分に。現行法では３時間かけて２５点の計測点しかできないが、ＡＤＣＰは１０分で８８２点の計測点とデータ数に大幅な差が生じるなど短時間で高密度な流速を取得したことを紹介している。
　事例集は同局ホームページで公開。ｉ―Ｃｏｎ奨励賞のページからアクセスできる。