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能力評価で賃金に反映/監理技術者兼任の要件 施工体制の位置付けも/国交省 CCUS普及へ検討推進

2023/06/14付 DOTSU-NET NEWS
 国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)のさらなる普及に向けて各種検討を進めている。従前からのモデル工事を通じたインセンティブ措置などに加え、技能者の技能・経験に応じた賃金実態を把握し、レベル評価された場合の賃金目安を示すことによって、能力評価が賃金に反映される方策も検討しており、近く方向性を示す見通し。監理技術者等の現場兼任を認める要件としてCCUS等による施工体制の把握を位置付けることも検討している。さらに、市販の安価なカードリーダーでも対応可能なシステムや安価に電話で就業履歴が蓄積できる実験的取組を本年度中に提供開始するほか、技能者登録と同時に能力評価に応じたカード発行を可能とする「ワンストップ申請」を来年4月をめどに供用開始することも予定している。

 CCUSは、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積するもの。技能者の能力と経験に応じた賃金支払いや処遇改善、現場の生産性向上に資することが期待されている。
 国交省は、CCUSの活用促進に向け、20年度からモデル工事を発注。工事規模や地域の建設業の状況等を勘案した上で、CCUS義務化モデル工事、CCUS活用推奨モデル工事の試行に取り組んでおり、近年は都道府県でも導入が進んでいる。
 現在は、労務費調査において、CCUS技能者の技能・経験に応じた賃金実態を把握し、レベル評価された場合の賃金目安を示すことにより、能力評価が賃金に反映される方策について検討。近年の賃金実態を踏まえた国交省試算によるレベル別の年収概要を近く示し、議論を本格化させる見通しとなっている。
 技術者の専任要件の緩和では、監理技術者等の現場兼任を認める要件としてCCUS等による施工体制の把握を位置付けることを検討している。CCUSの能力評価等を企業独自の手当に反映する取組については、水平展開を継続。道内大手で既に検討に着手している企業もある。
 このほか、来年4月から、原則としてCCUSに蓄積された就業履歴によらなければ、CCUSの能力評価の年数に加算されなくなることを踏まえ、23年度を「CCUS能力評価躍進の年」となるよう、業界と一体となって取組を加速化。市販の安価なカードリーダーでも対応可能なシステムや安価に電話で就業履歴が蓄積できる実験的取組を本年度中に提供開始するほか、技能者登録と同時に能力評価に応じたカード発行を可能とする「ワンストップ申請」を来年4月をめどに供用開始することなどを予定している。

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