国費７割増 ２６００億台後半／本紙調査 農業農村整備５４０億程度／２４年度道開発事業費補助要望 － 道

　道は、２０２４年度道開発事業費補助要望の計数を固めたもようだ。本紙調査によると、国費ベースの要望額は前年度当初と比べ約７割増の２６００億円台後半に上る見通し。このうち農業農村整備は、わが国の食料安全保障の強化に最大限寄与する観点から、倍増となる５４０億円程度を積み上げているとみられる。社会資本総合整備については、約６割増の９３０億円前後の計上が見込まれている。

　本道においては、人口減少および高齢化の急速な進展によって、地域や産業の担い手不足、交通ネットワークの確保といった課題が山積。一方、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した海外情勢の不安定化に伴い、エネルギーの安定的な確保や食料安全保障をはじめとする国としての課題への対応が重要となっている。
　こうした課題の解決に向けて、道の役割を果たすための強靱化、わが国最大の食料供給地域としての貢献、暮らしや社会経済活動の土台となる交通・物流基盤の強化などを要望の柱に設定。計数の整理に当たっては、限られた財源の中、社会資本のストック効果を最大限発揮するため、中長期的な視点で必要性や優先度の高い施策・事業を積み上げたもようだ。
　要望事項をみると、経済安全保障とデジタル社会の実現に貢献する観点から、次世代半導体製造拠点の整備に関連し、千歳市が進める工場周辺の道路整備や工場排水の下水道整備が盛り込まれる見通し。
　このほか、防災・減災、国土強靱化のための５か年加速化対策や、ゼロカーボン北海道の実現に向けた施策・事業などを積み上げた結果、要望額は国費ベースで２７００億円に迫るものとなることが予想される。
　区分別では、社会資本総合整備が約６割増の９３０億円程度、農業農村整備を含む農林水産基盤整備が倍増となる８５０億円程度。道路整備は約３割増の３４０億円台、治山治水は約９割増の２７０億円台に上る見込みだ。
　水道廃棄物処理等は３倍以上の１９０億円程度、住宅都市環境整備は約２割増の６０億円程度、港湾空港等は約１割減の１０億円程度と見込まれる。