年次計画推進方針 目標達成を目指す／債務負担で施工時期平準化等／国土強靱化の関係府省庁連絡会議

　国土強靱化の推進に関する関係府省庁連絡会議は３日、第２９回会合を書面開催した。新たな国土強靱化基本計画が閣議決定されたことを踏まえたもので、年次計画２０２３に定める施策の推進方針にのっとって目標の達成を目指すことを確認。取組の柱となる５か年加速化対策は全体の１５兆円程度のうち、２３年度時点の事業規模は約９.９兆円となっており、国庫債務負担行為の積極的な活用による施工時期の平準化や地域の実情を踏まえた適切な規模での発注等を推進する。２４年度予算概算要求では、重要政策推進枠の活用を含めた検討を行うとした。
　会合では、国土強靱化を取り巻く近年の状況等を共有した上で、７月２８日に閣議決定された新たな基本計画および定量的な指標によって進捗状況を把握・管理する年次計画のもと、取組のさらなる加速化・深化を図ることを確認。国土強靱化貢献団体認証制度の周知・普及、企業の生産力の強靱化を図ることなども申し合わせた。
　国土強靱化の取組の着実な実施に向けては①５か年加速化対策の推進②３か年緊急対策のフォローアップ③地域計画の策定・改定および地域の国土強靱化の取組の促進（国土強靱化地域計画に基づき実施される地域の強靱化の取組支援）④民間取組の推進⑤広報・普及啓発活動の推進―に取り組む。
　主な取組をみると、①では、全体で概ね１５兆円程度の事業規模をめどとしていた中、３年目となる２３年度までに約９.９兆円の事業規模となっていることを共有。引き続き適正な積算や工期設定に努めるとともに、国庫債務負担行為の積極的な活用による施工時期の平準化や地域の実情を踏まえた適切な規模での発注等を推進していくとした。
　②においては、関係府省庁からの報告をもとに内閣官房が２４年７月をめどに公表することを確認。③では、地域計画に実施個所等の具体的な内容が位置付けられた事業への「重点化」をさらに進めるとした。
　２４年度予算概算要求に関しては、必要・十分な予算を確保し、ハード・ソフト一体となった取組を強力に推進する観点から、重要政策推進枠の活用を視野に検討。骨太の方針を踏まえつつ、めりはりを付けた概算要求、税制改正要望等を行うとした。