道内 各開建で導入検討／札幌導入済 小樽は年度内着手も／国交省 電共事業のＰＦＩ手法

　国土交通省が推進する電線共同溝事業でのＰＦＩ手法に関し、２０２３年度は札幌開建が道内で初めて導入を決めたが、他の開建においても検討していく見通しだ。設計から工事、維持管理に至るまでの一連の業務をＰＦＩ事業として包括的に発注するもの。本紙調査によると、流動的な要素を残すが、小樽開建では年度内にも事業実施に向けた検討に着手するもよう。

　電線共同溝事業は、本体工事期間中に予算のピークを迎えるため、平準化が必要となっているほか、電力会社や通信会社などの関係者が多く、事業調整に時間を要している現状にある。
　一方でＰＦＩ手法を導入した場合は、施設整備費の割賦払いが可能に。管路整備に精通した民間の技術やノウハウの活用を促進することもできる。
　このため国交省は、主に営繕分野で取り組んできたＰＦＩ手法を電線共同溝事業でも導入。関東地整や九州地整などでは既に取組を推進しており、２３年度は札幌開建でも導入を決めた。札幌開建では、実施方針、要求水準書案の公表を経て、特定事業として選定し、現在は民間事業者の募集を行っている。
　流動的な要素を残すが、他の開建においても導入に向けた検討が進む見通し。小樽では、対象業務となる「管内電線共同溝事業支援」について簡易公募型プロポーザル方式で８月に公告しており、年度内にＰＦＩ事業の実施を視野に入れた各種検討に着手する見込みだ。
　民間の技術的ノウハウを最大限活用することで、これまで以上に効率的・効果的な無電柱化事業の推進につながることが見込まれている。