港湾工事での実施検討／来年度以降 作業船への陸電供給／開発局 ＣＯ２排出量削減試行

　開発局は、港湾工事での「作業船への陸電供給によるＣＯ２排出量削減試行工事」の実施に向けた検討を進めている。本省の取組方針を踏まえたもので、作業船不稼働時の係留における船内環境維持のため必要な電力に関し、陸電供給設備から供給しＣＯ２排出量削減効果を検証。カーボンニュートラル社会の実現に資することを目的としており、試行に際しての課題などを洗い出した上で、来年度以降に開始する見通し。

　国土交通省は、港湾工事におけるＣＯ２排出量削減に向けた取組の検討を本格化。関係団体やメーカー等に対し低炭素型材料等の港湾工事への活用事例、コスト等についてヒアリングを実施しており、目標達成に向けたロードマップの作成も今後予定している。
　当該試行工事は、カーボンニュートラル社会の実現に資することを目的としたもので、作業船不稼働時の係留における船内環境維持のため必要な電力に関し、陸電供給設備から供給しＣＯ２排出量削減効果を検証。受注者希望型で作業船を使用する港湾工事に適用する。
　対象工事である旨は入札説明書および特記仕様書に記載。作業船係留場所における陸電供給予定個所も明示する。受注者は、対象船舶、陸電供給設備の諸元、配置図等の取組内容を取りまとめ、監督員と協議の上で決定。対象工事に従事する作業船に対して、陸電供給設備を岸壁等に設置する。
　その後は、作業船が岸壁等で係留する期間において、陸電供給設備を用いて電力を供給し当該設備の使用実績を計測するとともに、ＣＯ２削減量を算出しその効果等を検証する流れとなっている。
　費用は受注者からの見積りを基本とし、その他工事費に計上する。試行の開始時期は来年度以降となる見通し。