インフラメンテナンス国民会議道フォーラム／課題解決に向けてシンポジウム／事例交え最新情報提供

　インフラメンテナンス国民会議北海道フォーラムは２２日、ＴＫＰ札幌駅カンファレンスセンターで２０２３年度シンポジウム「地方でのインフラメンテナンスを考える」を開催した。オンラインを含め、約２９０人が参加。インフラメンテナンスの課題解決に向けたヒントとなるよう、実際の事例も交えながら各種技術や取組に係る最新情報を提供した。
　北海道フォーラム企画委員長を務める北海道建設業協会の栗田悟副会長は、地方におけるインフラメンテナンスの重要性が高まっている現状に言及。「われわれが活動で意識しているのは市町村。公共建築や住宅、上下水道、小規模な舗装などに対し、微力ではあるが民間としてメンテナンス技術および体制に関する新しい情報をお伝えできれば」と述べた。
　続いて、寒地土木研究所寒地保全技術研究グループ耐寒材料チーム総括主任研究員の内藤勲氏が「寒冷地におけるコンクリート補修の留意点と持続性向上技術」をテーマに講演。実際の不具合事例を取り上げながら、補修前には検討事項として水処理の先行や材料の低温性状の把握に留意する必要があることを説明した。
　持続性が向上する補修技術では、コンクリートのはつり面を改善して断面修復する手法やクロスカットによる注入技術などを提案。構造物が致命的な状態に至る前の早期対策が有効とされる中、「インターネットで検索すれば精通していなくてもできる補修方法はあるが、コンクリートの基礎知識や低温における補修の留意点を把握しておくことが大切」と説いた。
　このあと、（株）ＮＪＳ執行役員インスペクション開発担当兼開発本部ドローン開発部長の稲垣裕亮氏が「閉鎖性空間等の点検調査用ドローンの紹介」、北海道フォーラム公共施設・住宅グループで（株）開発工営社技術顧問の横山隆氏が「公共建築物メンテナンスの課題と解決のヒント」と題し講演。国土交通省公共事業企画調整課の高畠佑樹情報企画係長はインフラメンテナンスにおける新技術活用の取組、開発局技術管理課の兵庫利勇専門官は現場ニーズと技術シーズのマッチングの取組についてそれぞれ情報提供した。