作業効率の良さ評価／遊休期間のない作業にも／畑地整備の夏期施工アンケート － 道農政部

　道農政部は、畑地帯における夏工事の促進に取り組んでいる。２０２３年度は、５振興局２８地区、約２７８ヘクタールで夏工事を展開。前年度から地区数で５地区、面積で７１ヘクタールの増となった。２１～２３年度までの受注者アンケートの分析結果をみると、作業効率の良さと高品質な仕上がりを評価する回答が７割から９割、遊休期間がなく作業できたとの回答が８割から９割に増加するなど、効果が着実に表れている。同部では、時間外労働の上限規制に対応した働き方改革推進の観点からも、引き続き関係者に対する周知を図りながら施工時期の平準化に努める方針だ。

　夏工事は、融雪後の工事可能日から８月上旬のコムギ収穫時期までに工事が完成する農地整備。十勝とオホーツクでの試行を経て、２２年度から取組の全道展開を図っている。
　２３年度の実績は５振興局で計２８地区、約２７８ヘクタール。振興局別の実施面積については、十勝が１５５ヘクタールで最多のほか、オホーツクが５８ヘクタール、上川が４１ヘクタールなどとなった。
　前年度と比べ全体で面積が７１ヘクタール増加したことを受け、担当者は「振興局や関係機関による地元調整、関係受益者などへの周知に伴う理解が深まってきた結果」とみている。
　本年度も、効果と課題の把握を目的に受注者へのアンケート調査を実施。主な設問をみると、作業効率で８８％が「良かった」、工事品質で９２％が「高品質だった」と回答するなど、良好なほ場条件下での工事に高い評価を得ている。
　下請業者の確保については、春からの施工となることで仕事量が各月に分散されるなど「確保しやすかった」との回答が７６％に。機材・労務の遊休期間は８８％が「なかった」と回答したほか、夏工事によって働き方改革が「推進された」とする回答が半数を占めた。
　今後の取組に対しては、「推進すべき」と「維持すべき」を合わせて１００％が賛同。受注者からは「稼働率が高く施工コストの低減、労務・機械数が固定できる、来春の手直しが少ない」など前向きな意見が寄せられた。
　同部は、休耕への協力による切れ目のない施工期間の確保といった課題にも対応しながら、夏工事のさらなる推進を目指す。