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ラピダス社「IIM―1建設計画」始動/オール北海道でメリット共有

2024/01/05付 DOTSU-NET NEWS
 Rapidus(株)(東京)による「IIM―1建設計画」が昨年9月に始動した。建築面積は東京ドーム約1.15個分に相当する約5万4000平方メートル。2025年のパイロットライン稼働、27年の量産開始を目指し、着々と工事が進んでいる。道においても約22キロメートルの配水管を敷設するため、昨年末に対象案件をWTO対象として一般競争入札で公告。千歳市でも周辺インフラの整備に向けた各事業を展開していく。道では、ラピダス立地のメリットをオール北海道で共有していくことを目指すため、本年度内に「北海道半導体関連産業振興ビジョン」を策定する方針を示している。

 次世代半導体産業において、現在、日本は米国、韓国、台湾などの世界各国から遅れをとっており、他国の輸入に大きく依存している。今後、半導体の需要はより増すことが想定されるため、輸入による調達が困難となった場合、日本経済に深刻な影響を及ぼすことが懸念されている。
 こうした中、ラピダス社は昨年3月、国の全面的な支援のもと、新工場の建設地を千歳市に決定した。半導体の製造に必要不可欠となる豊富な水に恵まれていることや、再生可能エネルギーの高いポテンシャルを秘めていることなどが高く評価された。
 半年後の9月には1棟目となる「IIM―1建設計画」が始動した。建築面積は東京ドーム約1.15個分に相当する約5万4000平方メートル。25年のパイロットライン稼働、27年の量産を目指し、鋭意整備を推進している。
 起工式後に開かれた記者会見で、同社の小池淳義社長は「まさに千載一遇の機会だと考えている」と強調。鈴木直道知事は「まだまだ乗り越えなければならない課題はある」としながらも、スケジュールどおりの取組に努める決意を示した。
 工場整備は、今月から地上の躯体工事に入り、4月には屋根工事に着手する予定。徐々にIIM―1の姿が外からでも確認できる見通しだ。
 道と千歳市でも、ことしから周辺のインフラ整備を本格化させる。
 道では、27年の量産開始に向けて全3回の有識者懇話会を開催し、水源地を道企業局が所管する苫小牧地区工業用水道に決定した。全体計画では、配水管約22キロメートルと中継ポンプ場の整備を予定しており、総事業費には約198億円を試算する。
 配水管については、対象案件を昨年12月26日にWTO対象一般競争入札で公告している。全3工区に分割して発注し、いずれも設計・施工一括方式を採用。一般土木と土木設計、測量、地質調査によるコンソーシアムの結成を求めている。年度内の開札を予定している。
 千歳市では、工場建設地の千歳美々ワールドに、汚水中継ポンプ場や延長9.5キロメートルの圧水管の新設など関連インフラ整備を計画している。
 全体事業費には120~140億円を試算。内閣府の地域産業基盤整備推進交付金による補助を活用し、事業を展開していく方針だ。
 鈴木知事は、一大プロジェクトの成功に向けて、国や千歳市、関係機関と緊密に連携を図りながら「スピード感を持って取り組んでいく」と力を込める。

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