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対応策 質の確保と効率化/国交省 性能の推定記録追加など/道路構造物の3巡目定期点検
2024/01/22付 DOTSU-NET NEWS
国土交通省は、2024年度から始まる橋梁、トンネル、シェッド等の3巡目定期点検に向け、要領の改定案を取りまとめた。現状の課題を踏まえた対応策として「点検の質の確保」と「点検の効率化(合理化)」の2点を提示。法定点検の質の確保に当たっては、従来の「健全性の診断の区分」のみではなく、新たに「性能の推定(見立て)」の記録を追加する方針としている。点検の効率化では、記録の記号化、データベース充実、点検支援技術活用支援などの取組を列挙した。今月下旬にも各道路管理者に意見照会を行い、3月中の改定、4月からの適用を目指す。19日に東京都内で開かれた社会資本整備審議会道路分科会第20回道路技術小委員会で改定案を示した。
現行の定期点検は、診断結果のばらつきに加え「診断の根拠が不明」「措置(修繕等)が最適かどうか不明」といった意見が寄せられるなど点検の質が課題に。記録データが有効に活用しきれていないことや、技術者不足に関する指摘もある。
こうした状況を踏まえ国交省は、3巡目の定期点検に向けた対応策として「点検の質の確保」と「点検の効率化(合理化)」の2点を提示。質の確保に当たっては、従来の1~Ⅳまでの健全性の診断の区分のみではなく、新たに性能の推定(見立て)の記録を加える。
具体的には「現状がどのような状態にある可能性があるのか」や「次回点検までに想定される状況に対してどのような状態になる可能性があるのか」といった推定を記録。その上で構造物特性や技術基準を鑑みながら、今後の措置の必要性を検討する。
点検の効率化に向けては、必要以上の記録の削減を促すほか、記録データの記号化・標準化、点検支援技術の活用方法を明記した点検計画策定要領を策定するとしている。
会合では、3巡目以降の定期点検に向け、引き続き検討すべき事項も整理した。
性能の見立て(推定)の実施、記録を適切に行うことができる人材の確保では、具体例として点検要領改定の趣旨が反映された国交省登録技術資格の認定要件の見直し、適切な点検計画を策定するノウハウのマニュアル化や事例の共有などを記載。対症療法だけではなく、性能の確保、改善の観点から効果的な措置が行われるための基準類の充実、継続的に修繕等の効果と説明性が改善されていくための仕組みづくりなども検討が必要とした。
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