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区画柵の試行設置「走行性」効果確認/長大橋は25年度以降本格化/高速道路の正面衝突事故防止対策 - 国交省

2024/02/09付 DOTSU-NET NEWS
 国土交通省は8日、東京都内で高速道路の正面衝突事故防止対策に関する技術検討委員会の第7回会合を開いた。長大橋梁およびトンネル区間における区画柵の試行設置に関する検証項目の評価等を実施。四つの検証項目のうち「走行性」は一定の効果が継続して確認されたことを報告した上で、残る試行設置個所についても2024年度に施工する見通しを示した。長大橋梁は、各評価項目で問題がなければ、25年度以降から本格設置に移行する。
 国交省は、重大事故につながりやすい高速道路の暫定2車線区間での正面衝突事故の緊急対策として、土工部および中小橋梁におけるワイヤロープの設置を全国で進め、22年度に概成させた。
 ただ、長大橋梁およびトンネル区間においては、土工部、中小橋梁と比較して道路幅員が狭いことに加え、支柱を打ち込めないなど固定方法に課題があり、ワイヤロープをそのまま適用させることが困難に。このため、ワイヤロープに代わる新たな事故防止対策として、21年度から区画柵の試行設置を進めている。
 23年度は、道内における道央道比布JCT~和寒IC間の蘭留宗谷橋251メートル、道東道網走線本別JCT~足寄IC間のバッタの沢川橋119メートル、後志道小樽塩谷IC~小樽JCT間の伍助沢橋216メートルなど計7ヵ所(約1.6キロメートル)を追加で設置。24年度以降は、長大橋梁32ヵ所(約10.2キロメートル)、トンネル部6ヵ所(約1.2キロメートル)に設置する予定となっている。
 今回の会合では、長大橋梁およびトンネル区間に関する試行個所の評価等を実施。四つの検証項目のうち「走行性」については一定の効果が継続して確認されたことを報告した。事故等の発生がないため「事故防止」「緊急時対応」の項目はデータが未取得の状態。「緊急時対応」については、今後、消防・警察と訓練等を実施し評価・検証を推進するとした。
 24年度は、残る試行設置個所の施工を計画。長大橋梁については、24年度末に開催予定の次回会合で対応方針を検討し、各評価項目で問題がなければ、25年度以降から本格設置に移行する。
 トンネルは、C、D等級でのさらなる展開またはB等級以上への試行設置の拡大を予定。トンネル延長が長くなると閉鎖空間となり、緊急時の車両横断部が必要となることから、非常駐車帯や避難連絡坑に合わせて、区画柵に約300~400メートルごとに約20メートルの開口部を設けることなども想定している。

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