トップページ > DOTSU-NET NEWS一覧 > DOTSU-NET NEWS詳細

新しい枠組で情報共有を/一日も早い札幌開業に向けて/新幹線整備の関係者会議

2024/05/30付 DOTSU-NET NEWS
 北海道新幹線新函館北斗・札幌間の整備に関する関係者会議が29日、ニューオータニイン札幌で開かれた。国土交通省の平嶋隆司鉄道局次長と鉄道・運輸機構の藤田耕三理事長が、鈴木直道知事ら地元関係者と対面し、2030年度末の北海道新幹線札幌開業が困難との判断に至った経緯などを説明。開業効果を見込んだ各種プロジェクトに与える影響が大きいだけに、沿線自治体や関係団体からは新たな開業時期の見通しを早期に示すよう求める声が相次いだ。鈴木知事は国と機構に対し「新たな形で枠組みをつくり、円滑な情報の共有・可視化を行っていく必要がある」と提言。両者も賛同の意を表し、一日も早い完成・開業に向けて最大限努めていくことを約束した。
 道新幹線新函館北斗・札幌間の整備を巡っては、建設主体の機構が斉藤鉄夫国交大臣に対し30年度末の開業目標断念の意向を報告。地元自治体として関係者の切実な声を早急に届ける必要性を踏まえ、鈴木知事は14日に斉藤大臣を訪問し、地元への丁寧な説明と報告内容の検証、工期短縮に向けた検討の徹底を主とする緊急要望を行った。
 要望を受け、斉藤大臣からは国・機構に対し地元関係者向けに丁寧な説明を行うよう指示。当日は、鈴木知事をはじめ沿線自治体や経済団体ら関係者が一堂に会し、平嶋鉄道局次長と藤田理事長を迎えた。
 藤田理事長は、今回のタイミングでの公表となった背景として、完成・開業時期に関する速やかな情報共有と目標達成のための努力が責務であることから「建設業の働き方改革の実施を控え、影響軽減策、前倒しのための工程工夫策などを前年度末まで受注者と協議した結果」と説明。掘削が難航している渡島トンネルや羊蹄トンネル、発生土受け入れ地確保に時間を要した札樽トンネルなどの工事進捗状況にも言及し、工期短縮策や今後想定されるリスクと対応について示した。
 意見交換では、出席者がそれぞれの立場から開業遅れに伴う懸念や要望事項を表明。北海道商工会議所連合会の岩田圭剛会頭は「北海道の基幹産業である食や観光ばかりではなく、半導体やGXといった国家プロジェクトの観点からも札幌開業は一日も早くしなければ」、北海道建設業協会の日野勉常務理事は「地域の建設業としては、早期開業に向けて最大限の努力をしていくということに尽きるが、公共事業も含め様々な事業を支える立場としては、何よりも新たな開業時期の目標をできるだけ早期に示してほしい」と訴えた。
 平嶋次長は、有識者会議のほか、地質不良対策等を検討するワーキングチームなどの知見も得ながら、開業見通しを含めた各種精査に努める考えを強調。国・機構・地元関係者として共通認識を持つ重要性に鑑み「どういった形で情報共有の充実・強化を図っていくのがいいのか、今後よく相談・検討していきたい」と述べた。
 鈴木知事からも、工事の進捗状況や課題といった各種情報の共有・可視化を円滑に行うための新たな枠組みづくりについて提案があり、国、機構共に合意した。

その他のDOTSU-NET NEWS 一覧

継続56地区、5361億/札幌1557億、旭川1475億/直轄農業25年度以降残事業費 - 本紙集計

2024-05-30付 DOTSU-NET NEWS

 道内における直轄農業農村整備事業の2025年度以降残事業費は、56地区で総額5361億円に上っている。25年度以降も整備を継続する地区を対象に本紙が集計したもの。開建別にみると、札幌が最多の1557億円で、旭川が1475億円、帯広が751...

技術者 確保・育成急務に/ICT技術で省力化等に注力/除雪関連業務の体制強化へ

2024-05-29付 DOTSU-NET NEWS

 気候変動の影響などによって降雪量が増加する中、国内最大の積雪寒冷地として知られる本道では、関連業務を円滑に進めるための体制強化が求められている。主要発注機関は、オペレーターの高齢化や後継者不足といった課題の解消を目的に、ICT技術を活用し...

有効性の検証本格化/道農政部 地温データ収集等/農業農村整備による暑熱対策

2024-05-29付 DOTSU-NET NEWS

 道農政部は本年度、営農技術部門と連携し、農業農村整備による暑熱対策の有効性について検証を本格化させる。道営事業完了地区の農家に対する聞き取り調査では、暗渠排水や畑地かんがいといった各種整備が地温等の上昇に伴う高温障害の軽減に一定の効果を上...

管内シェア 86.4%/本紙集計 札幌、釧路で拡大/23年度建管発注工事受注動向

2024-05-28付 DOTSU-NET NEWS

 全道10建管の2023年度発注工事に関し、地域別受注動向が本紙集計でまとまった。金額ベースでみると、管内業者の受注割合は22年度を2.1ポイント下回る86.4%。札幌、釧路の2建管で管内受注が拡大した。管外業者の受注割合は2.1ポイント上...

平均 土木設計89.5点/技術資料 89.6点、測量 85.6点/23年度資格区分別委託施行成績 - 道農政部

2024-05-28付 DOTSU-NET NEWS

 道農政部は、資格区分別の2023年度委託業務施行成績評定結果をまとめた。平均点は、土木設計が前年度を0.2点上回る89.5点。技術資料は0.3点上昇し89.6点、測量は0.5点上昇し85.6点、地質調査は0.2点上昇し89.7点と、全区分...

単体シェア 0.9P縮小/室蘭、釧路など5開建で拡大/23年度開建単体、JV受注動向

2024-05-27付 DOTSU-NET NEWS

 全道10開建が2023年度に発注した工事の単体とJVの受注動向が、本紙集計でまとまった。金額ベースでみると、単体の受注割合が縮小。直近10ヵ年で最高を記録した前年度から0.9ポイント縮小し、90.9%となった。開建別では、室蘭、釧路、帯広...

4週8休以上1815件/9建管で100%達成/建管工事23年度週休2日実施状況

2024-05-27付 DOTSU-NET NEWS

 道建設部は、建管発注工事における週休2日モデル工事の2023年度実施状況をまとめた。23年度内に完成した工事が対象で、施工者が取組意思を表明した1816件のうち、4週8休以上を達成したのは1815件。モデル工事に対する達成率は、前年度から...

首位は宮坂建設 108億円/設計変更含む 受注増342社/開発局23年度工事受注最終実績 本紙集計

2024-05-24付 DOTSU-NET NEWS

 全道10開建の設計変更を含む2023年度工事業者別受注実績が、本紙集計でまとまった。首位は、札幌、函館、旭川、室蘭、釧路、帯広の6開建から計26件、107億5332万円を受注した宮坂建設工業(株)(帯広)。2位以下は、23件、78億906...