長距離 全個所で効果確認／運転手労働時間、輸送費用など／開発局 中継輸送の実証実験結果

　開発局は、道路施設等を活用した中継輸送の効果を取りまとめた。長距離輸送の実証実験では、道央・道北間や道央・オホーツク間の全ての実施個所でトラックドライバーの労働時間や輸送費用、環境負荷の削減を確認。地域内輸送の短距離輸送では、中継拠点と集配エリア間の移動距離・時間の短縮によってさらなる輸送需要への対応が可能となった。中継拠点として選択可能な場所の増加が必要との考えに基づき、２０２４年度は簡易パーキングやチェーン脱着場での実証実験を予定している。
　開発局は、２１年度から道の駅を活用した実証実験を展開。これまでの取組の結果を踏まえ、２３年度は札幌～道北間約４００キロメートルと旭川～北見間約２００キロメートルでの長距離輸送、千歳～後志地域での地域内輸送を対象に実証実験を行った。
　長距離輸送では、名寄北管理ステーション、道の駅しらたき、白滝管理ステーションでヘッド交換・ドライバー交換・荷物積み替えの３パターンを実施。片荷輸送の解消によって、ドライバーの輸送時間は約４３～４４％、輸送費用は約４５～４７％、環境負荷は約５０％といずれも高い削減効果を示した。
　短距離輸送では、ニセコ除雪ステーションと尻別除雪ステーションで都市間を輸送する大型トラックから後志地域内を輸送する小型トラックへの荷物積み替えを実施。倶知安を中継拠点としている地域内トラックが最寄り中継拠点を活用することで、総輸送距離は約２.５％、総労働時間は約２.６％減少した。
　荷物の取り扱い件数の増加にも労働時間を増やすことなく対応が可能となるなど、地域の配送事業者からも同様の取組に前向きな姿勢が示された。