建設業 人出不足など上位／材料価格上昇の影響顕著／４～６月期業種別業況動向調査 － 道経済部

　道経済部は、２０２４年４～６月期の業種別業況動向調査結果をまとめた。建設業界が抱える課題については、人手不足や従業員の高齢化が依然として上位に挙がる中、材料価格の上昇による景況への影響も顕著に。「車両・重機等の燃料費の増加」「材料仕入れ価格高騰による収益の減少」といった影響の緩和に向けては、資材の運搬方法や保管方法の適正化を図るなど企業努力の姿勢がうかがえる。
　各業界団体の動向や課題などの把握を目的に四半期ごとに実施。このうち建設業としては、北海道建設業協会（岩田圭剛会長）が聞き取りやアンケート調査に協力している。
　道建協の回答内容をみると、業況感は前回１～３月期の調査時と変わらず「悪い」。完工高別では「１０億円未満と３０億円以上は悪い傾向が強まっている」とした。
　受注総額は官公庁工事を中心に減少傾向が強まる中、収益も減少傾向が継続。減少理由は「完成工事高の減少」が最も多い８３.８％で、次いで「人件費の上昇」が５５.４％、「資材価格の上昇」が５０％となっている。
　雇用の動向をみると「困難傾向が続いている」として正規・非正規とも不足感を訴えており、一定の影響があることを報告。緩和に向けては「賞与や賃金の引き上げ、定年制の延長」をはじめとする社内制度の充実に加え、ＩＣＴ施工やＤＸなどによる業務の効率化を推進している。