持続可能な世界へ寄与／推進ネットワーク会員は５９６者に／本道建設業 ＳＤＧｓの取組拡大

　本道建設業におけるＳＤＧｓの取組が広がりを見せている。８月末時点での北海道ＳＤＧｓ推進ネットワーク会員の登録数は、全産業で最も多い５９６者。全体の２３.６％を占め、多くの企業が持続可能な世界の実現に寄与している。札幌市は２０２５・２６年度競争入札参加資格審査において、札幌ＳＤＧｓ登録企業を加点評価することを決定。関連施策への注目度は日に日に高まっており、今後の業界とＳＤＧｓの結び付きにも強い関心が寄せられている。
　ＳＤＧｓは「誰ひとり取り残されない」を理念とし、環境・社会・経済に関する１７の目標と１６９のターゲットを設定。「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「産業と技術革新の基盤をつくろう」「住み続けられるまちづくりを」などが目標に定められ、国内においても、自治体や企業が関連施策の実行に力を注いでいる。
　道は、国のＳＤＧｓ未来都市として選ばれた１８年に北海道ＳＤＧｓ推進ネットワークを設立。道内の個人や企業・団体、ＮＰＯ、行政機関などにＳＤＧｓの理念を広め、幅広いエリアで具体的な取組が進められるよう環境を整えている。
　ことし８月末現在の会員数は２５２１者。管内別では、石狩が最多の１５２３者で、以下、上川が２４０者、後志が１５４者、胆振が１４６者などと続いている。
　業種別にみると、建設業が最も多い５９６者。全産業の２３.６％を占め、地域を支える主要産業として取組を先導している。
　２３年度の主な取組を追うと、伊藤組土建（株）（札幌）では「脱炭素社会の実現およびコミュニティの参画」をテーマに、植樹による森林保全活動やインターンシップ要請の受け入れなどを実施。
　（株）田中組（札幌）は「インフラゼロカーボンへの取組」として、現場事務所にソーラーパネルを設置しており、太陽光による再生可能エネルギーを活用してＣＯ２削減に取り組んでいる。
　会員数は順調に増えており、年度内には７００者を超えるとの見方も。札幌市は、次期入札参加資格審査で札幌ＳＤＧｓ登録企業を加点評価する意向を示しており、業界内でのＳＤＧｓを取り巻く新たな動きにも関心が集まっている。