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民間工事 適正価格等指導を/持続的産業へ岩田道建協会長/全建と国交省 地域懇談会

2024/10/28付 DOTSU-NET NEWS
 全国建設業協会(今井雅則会長)と国土交通省の2024年度地域懇談会が25日、ホテル札幌ガーデンパレスで開かれた。北海道建設業協会の岩田圭剛会長は、喫緊の課題となっている担い手の確保や長期化する資材等価格の高騰など、業界を取り巻く諸問題に触れた上で「受注産業であるとともに、積雪寒冷地という特殊事情がある」とその厳しい状況に理解を求めた。また時間外労働上限規制にも関わって「特に民間工事における適正価格および工期の設定について発注者に指導いただきたい」と強く訴えた。
 懇談会には道建協と傘下の各地方建協会長、全建幹部、国交省・開発局幹部ら40人余りが参加した。
 あいさつに立った道建協の岩田会長は、道内建設業を取り巻く課題やその解決のためにあらゆる施策に取り組むなどとし「自然災害が各地で発生している。本道でも日本海溝・千島海溝における海溝型巨大地震の発生が懸念されており、国土強靱化基本法に基づく中期実施計画の早期策定など防災・減災、事前防災などの強靱化対策を安定的・継続的に実施していただきたい」と訴えた。
 その上で「われわれ建設業が、地域の安全・安心を守る社会的使命を将来にわたって果たし続けていくため、様々な課題の解決に向けて有意義な議論ができれば」と期待を寄せた。
 国交省の堤洋介大臣官房審議官(不動産・建設経済)は、持続可能な建設業の実現に向けては公共投資の確保が重要と言及。「来年度予算概算要求では公共事業関係費は要求額いっぱいの対前年度比1.19倍、約6.3兆円を積み上げた。4日には総理から経済対策の指示があり、防災・減災、国土強靱化に取り組むことが明言され、当初予算と補正予算について今後折衝が本格化するなど重要な時期を迎える」と述べ、必要な事業量が確保できるよう取り組んでいく姿勢を強調した。
 またこれに関わって「予算を執行するだけの施工力があるのか」と問われることがあるとし、北海道として「施工力はある。事業量が足りないなどと実態に沿った声を上げていただきたい」と呼びかけた。
 橋本雅道大臣官房審議官(技術)は、働き方改革や生産性向上など各種取組の重要性とそのポイントなどに触れた上で「建設業における新4Kを達成し、魅力ある産業を実現できるよう共に課題解決に取り組む」としてあらためて理解と協力を要請した。
 開発局の坂場武彦局長は本年度からスタートした第9期北海道総合開発計画の趣旨を解説し「本道のポテンシャルを引き続き生かしていくためには、この広大な北海道を適切に管理し、地域の暮らしと安全を支えている建設業が持続可能であることが非常に重要だ」などと述べ、山積する課題に総力を挙げて各種施策を通して取り組んでいくことを強調した。
 全建の今井会長は「防災・減災、国土強靱化、災害からの復旧・復興、担い手問題、建設業の社会的地位の向上等に対する基本的な考え方は変わらないもの」と言及。その上で「建設業を取り巻く状況が不確実な場面において、引き続き志の高い連携が必要。ぜひ距離を縮めた議論を」などと訴えた。
 このあと(1)公共事業(国土強靱化を含む)の推進(2)改正労働基準法と働き方改革、生産性向上(3)第3次担い手3法(建設業法、品確法)の改正と賃上げ、価格転嫁(4)CCUS、外国人労働者等、災害対応、広報その他―の四つをテーマに意見交換を行ったほか、道建協が広域かつ積雪寒冷な本道ならではの地域性を踏まえた要望等の趣旨を説明し、国交省の見解を求めた。

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