ＡＩ点検・調査を拡大／ドローン画像計測 ２５年度試行増も／道建設部 道路施設老朽化対策

　道建設部は今後、道路施設の老朽化対策に関し、ＡＩ技術を活用した点検・調査の取組を一層拡大していく方針だ。ドローンで撮影した写真をもとに、ＡＩによってコンクリートのひび割れなどを検出する画像計測の新技術で、本年度の試行件数は１０月末時点で１５０件に上っている。点検費用の縮減や業務の円滑化などに効果を確認しており、２０２５年度の試行件数はさらに増加するものとみられる。

　本道では、高度経済成長期に整備した道路施設の老朽化が進行。現在は対象施設の安全確保に向けた取組に力を注いでおり、中長期的な維持管理コストの縮減と平準化を図る観点から、長寿命化修繕計画に準じて５年に１回の定期的な点検・診断を進めている。
　点検によって健全性を判定し、健全をⅠ、予防保全段階をⅡ、早期措置段階をⅢ、緊急措置段階をⅣと区分。健全性と重要度に応じて優先順位を決定し、効果的な事業展開に結び付けている。
　２３年３月に策定した長寿命化修繕計画では、業務円滑化につなげるための新技術の活用について検討することを明記。ドローンで撮影した写真をもとに、ＡＩによってコンクリートのひび割れなどを検出する画像計測の技術で、２３年度は１１件の業務で試行した。
　点検費用の縮減や業務の円滑化などに優れた成果を確認したことから、本年度は試行件数を拡大。１０月末までの試行件数は１５０件に上っており、前年度と同様の効果が認められている。白石俊哉建設部長は「関連事業を推進し、安全で安心な道路交通の確保に努めていく」と方針を示しており、２５年度は試行件数のさらなる増加が見込まれている。