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受注者提案の費用負担を/開発局「制度設計の過渡期」強調/日建連と発注機関が意見交換
2025/06/10付 DOTSU-NET NEWS
日本建設業連合会(宮本洋一会長)は9日、ホテルポールスター札幌で2025年度公共工事の諸課題に関する意見交換会を開催した。受注者提案による新技術・新工法の現場への導入に当たって、発注者が必要経費を負担する仕組みの制度化を求める日建連に対し、開発局は施工者選定型で活用された技術については設計変更の対象にはならないとの立場をあらためて提示。技術提案評価型SⅠ型試行などを例に「制度設計の過渡期」であるとし、引き続き要望を本省に伝えていくとした。意見交換会には開発局をはじめ道、札幌市、東日本高速道路(株)北海道支社、鉄道・運輸機構北海道新幹線建設局などの幹部ら30人、日建連からは本部および北海道支部の幹部ら31人が参加した。
あいさつに立った開発局の坂場武彦局長は、きょうの四つのテーマについて危機感を持っているとしながら「全国各地の先進事例や皆さんが取り組んでいる最先端技術について話を聞く機会とし、問題解決につなげることができれば。特に細かい項目を見ていくと、われわれ同士がコミュニケーションを取ることで解決できることもあるはず。率直な意見交換ができれば」と成果に期待を寄せた。
日建連の押味至一副会長は重点方針として「社会資本整備の着実な推進とその重要性の発信」「担い手確保と働き方改革ならびに生産性向上の取組の推進」の2点をベースに「課題が山積する状況にあってこの場が果たす役割は非常に意義が大きい」と述べ、この成果が民間工事を含め横展開されるよう努めていく方針を示した。
本年度のテーマは①公共事業予算の確保と入札・契約制度の改善②働き方改革の推進~時間外労働上限規制順守の課題と取組③生産性向上(新技術・新工法の活用促進)④担い手の確保―の四つ。
①公共事業予算の確保について日建連は、公共事業予算はここ10年間ほぼ横ばいで推移しているものの、資材価格や労務費の上昇で実質的に事業量が減少している現状に言及。また国土強靱化実施中期計画の早期策定と現計画を上回る予算の確保を訴えた。
これに対して開発局は、ことし4月に公表された第1次国土強靱化実施中期計画(素案)で、今後の資材価格・人件費の高騰等の影響については予算編成過程で適切に反映すると示されたところ。また今般の国土強靱化推進本部で示される概ねの事業規模を踏まえ、施策内容やKPIの精査を進め、今月6日の閣議決定を受けて開発局としてしっかりと取り組んでいくとした。
②働き方改革の推進について日建連は、時間外労働上限規制を順守するためには、今後さらに「DX推進による現場生産性の向上、施工管理業務の効率化」に加え「時間外労働削減も考慮した適正な工期の設定」「施工管理に必要な人員等の増加」「書類の削減・簡素化」など多くの課題があるとして、受発注者が連携して様々な取組を講じていく必要性を訴えた。
開発局は①週休2日の「質の向上」の拡大②工事、業務における現場環境改善③受注者の書類作成業務のさらなる負担軽減④適正な工期設定⑤施工時期、履行期限の平準化⑥2024働き方改革対応相談窓口等の設置―を挙げ、取組の実施に当たっては関係者間の情報共有や円滑なコミュニケーションを図り、関係機関との意見交換によってフォローアップを行い、課題の抽出や改善策の検討を進めていくとした。
③生産性向上について日建連は、受注者提案による新技術・新工法の現場への導入に当たって、発注者が必要経費を負担する仕組みの制度化を求める中で、多能工かつ熟練の技能者を必要とするトンネル工事を例示。将来的なトンネル工事の完全自動化の実現に向けて早期に試行工事を導入することで、必要になる技術の標準化を求めた。
開発局は新技術活用の原則義務化を受けて、発注者指定型では費用を計上することが可能とする一方、施工者選定型で活用された技術についてはこれまで同様、設計変更の対象にはならないと指摘。工事成績での加点(創意工夫)は引き続き対象になるほか、本年度から始まった技術提案評価型SⅠ型の試行を例に「制度設計の過渡期」であることを強調し、必要経費等の負担に係る要望については本省に伝えていくとした。
道や札幌市などの担当者も各要望事項に対して、取組状況やその方針について解説した。
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