トップページ > DOTSU-NET NEWS一覧 > DOTSU-NET NEWS詳細

利点 作業効率向上が最多/コスト、技術者確保が課題/道建設部 ICT活用工事調査

2025/09/17付 DOTSU-NET NEWS
 道建設部は、2024年度に完成したICT活用モデル工事のアンケート調査結果をまとめた。実施のメリットは「作業効率の向上」が前年度に引き続き最多。従来施工とICT施工を比較した定量的評価をみると、内業・外業を合わせた全体平均値で63%削減と、施工効率化と労力軽減に寄与していることが判明した。「ICT活用工事の今後の積極的な取組」では、モデル工事実施者の95%が「考えている」、5%が「今後検討する」と回答。モデル工事未実施者は「考えている」が62%、「今後検討する」が20%だった。未実施者からは、重機などのレンタル費用が高く、技術者が確保できないといった理由が多く聞かれた。

 アンケート調査の対象は、24年度内が工期末のICT施工技術を活用するモデル工事。過年度発注のゼロ国債や翌債、ゼロ道債などを含め、89件から回答を得た。うち過去にICT施工を実施したのは54件、未実施は35件となっている。
 使用したICT建設機械は、MGバックホーが最多の33件で、MCバックホーが22件、TS・GNSS締め固め(ローラー)が7件などと続いた。
調達方法は、リースが34件、自社所有が10件、その他(協力会社保有など)が12件だった。
 ICT施工の定量的評価を追うと、内業の事前準備段階以外の工程において、作業員や日数は縮減。内業と外業を合わせた全体平均値では63%削減し、従来施工に比べて施工効率化と労力軽減が図られている。
 モデル工事のメリットは「作業効率の向上」が最多の50件で、以下、「施工精度の向上」と「出来形管理の向上」が各14件、「安全性の向上」が11件、「経費削減」が4件、「情報化施工の経験・人材育成」が2件。普及に必要なことは「機器類の調達に係る費用助成制度の導入・拡大」が27件と最も多く、「技術者の確保・育成を目的とした研修・講習会などの実施」が23件、「人材育成に係る費用助成制度の導入・拡大」が10件、「技術者不足解消」が8件、「提出書類の簡素化」が1件と続いた。
 ICT活用工事の今後の積極的な取組に関しては、モデル工事実施者の95%が「考えている」、5%が「今後検討する」と回答。モデル工事未実施者の回答は「考えている」が62%、「今後検討する」が20%だった。
受注者からは「ICT施工を一度経験すると従来施工には戻れない」「作業員の高齢化が進行し、人員の確保が今まで以上に難しくなる。ICT活用工事を主体とし、進んでいかなければならない」「小規模工事ではICTを活用して施工することは予算上困難。対応できる職員もいない」「ICT施工を推進するためには技術者の育成が重要。ウェブ講習会など柔軟な学習コンテンツの提供やアドバイザー制度などの提案が必要」など多くの意見が寄せられた。

その他のDOTSU-NET NEWS 一覧

金額ベース 単体シェア拡大/札幌、稚内を除く8開建で/6月末開建別単体、JV受注動向

2025-09-16付 DOTSU-NET NEWS

 全道10開建が2025年度6月末までに発注した工事の単体とJVの受注動向が、本紙集計でまとまった。金額ベースでみると、単体の受注割合が拡大。前年度同期から3.4ポイント拡大し、89.8%となった。開建別では、札幌、稚内を除く8開建で拡大し...

技能労働者「良い取組」55%に/生活が充実、体調管理も/週休2日工事24年度アンケート - 道建設部

2025-09-16付 DOTSU-NET NEWS

 道建設部は、2024年度に実施した週休2日モデル工事のアンケート調査結果をまとめた。達成件数率は98.9%で、モデル工事の取組を「良い」と回答した技能労働者は55%。「良かった点」の回答は151件で「悪かった点」を116件上回り、取組の有...

総合評価導入呼びかけ/24年度現在で運用は31市町/道 市町村の入札・契約適正化へ

2025-09-12付 DOTSU-NET NEWS

 道は、道内市町村における入札・契約の適正化に向けて、総合評価落札方式の導入を呼びかけている。市町村発注工事を請け負う業者の技術力向上や、品質確保および総合的なコストの縮減、不良不適格業者の排除などを目的としたもの。2024年度の札幌市を除...

受注高 21%減3447億/7月 道内工事受注動態調査 - 国交省

2025-09-12付 DOTSU-NET NEWS

 国土交通省は、2025年7月の建設工事受注動態統計調査結果をまとめた。本道の受注高は、前年同月比20.9%減の3446億5900万円。内訳をみると、元請受注は19.1%減の2313億6300万円となった。元請受注のうち、公共機関からの受注...

道所管分は92.8%/市町村所管が91.7%/防災拠点施設等の耐震化 - 24年4月現在

2025-09-11付 DOTSU-NET NEWS

 国は防災拠点として機能する公共施設などの耐震化推進状況に関し、2024年4月1日時点の調査結果をまとめた。社会福祉施設、文教施設、庁舎、会館・公民館、体育館、診療施設、警察本部・警察署、消防本部・消防署、その他の9種に分類し、施設ごとの状...

加速化対策の創設検討/国営事業と一体的に実施/特措法に基づく防重ため池整備 - 農水省

2025-09-11付 DOTSU-NET NEWS

 農林水産省は、防災重点農業用ため池緊急整備加速化対策の創設に向けた検討を進めている。国営事業実施中・実施予定の地区内に位置する防災重点農業用ため池に関し、当該国営事業と一体的に防災工事を実施するもの。国営事業の効果発現に万全を期すとともに...

管内業者受注割合 全体78.5%に/本紙集計 5開建で拡大/6月末開建発注工事受注動向

2025-09-10付 DOTSU-NET NEWS

 全道10開建における2025年度6月末地域別工事受注動向が、本紙集計でまとまった。金額ベースの管内業者の受注割合をみると、全体では78.5%に。前年度同期と比較すると2.4ポイント拡大した。管内業者の受注割合は、釧路、室蘭など5開建で拡大...

道路新設改良費に20億/河川改良費は11億円/道 3定補正予算案の工事請負費

2025-09-10付 DOTSU-NET NEWS

 道の3定補正予算案に基づく工事請負費が、本紙集計でまとまった。総額は43億6510万円で、全て一般会計の計上分。主なものとして、道路新設改良費に19億5300万円、河川改良費に11億1900万円、道路整備費に5億5200万円などを措置して...