早期の交通確保へ尽力／建設業者と発注者が除排雪／道内各地 記録的な暴風雪に

　急速に発達した低気圧が北上し、道内各地は１４日夜から１５日にかけて記録的な暴風雪に見舞われた。断続的に雪が強まり、高速道路、国道、道道は通行止めを余儀なくされたが、地域に根差す建設業者と発注者が一体となって除排雪作業を展開。開発局や道はきめ細かな情報提供に加え、予防的通行止めによる集中的な除排雪作業に注力し、早期の交通確保に努めている。

　気象庁によると、道東を中心に大雪や暴風が襲い、１２時間降雪量は遠軽で６０センチ、中標津空港で４３センチといずれも観測史上最大を記録。中標津町の上標津では、最大瞬間風速４０.５メートルの暴風を観測し、１５日早朝には釧路地方などでおよそ３万６０００戸が停電した。
　道内各地では、開建や建管が地域住民の安全を最優先に情報を共有。国道、道道を直ちに通行止めとしながらも、地域経済への影響を最小限にとどめるべく、維持業者などと連携して急ピッチで除排雪作業を進めた。
　釧路・根室管内では、国道４路線９区間、道道１３路線１３区間を通行止めに。明盛建設（株）（標茶）、ヤマシタ工業（株）（釧路市）、三ッ輪建設工業（株）（釧路市）、開成建設工業（株）（弟子屈）、（株）上田組（標津）、寺井建設（株）（別海）、伊藤建設（株）（根室）、小針土建（株）（中標津）、（株）小野寺組（釧路市）、（株）藤原組（標茶）、東星渡部建設（株）（弟子屈）、赤石建設（株）（浜中）などが対応に当たった。
　十勝管内は国道５路線５区間、道道１路線１区間を対象とし、髙堂建設（株）（帯広）、清水開発・池戸土建JV、永井工業（株）（中札内）、（株）川村組（上士幌）、（株）石橋建設（陸別）などが早期の開通に向けて汗を流した。
　オホーツク管内では、国道１１路線２３区間、道道２４路線３１区間を通行止めとし、斜里建設工業（株）（斜里）、大同産業開発（株）（遠軽）、（株）野口建設（北見）、（株）北興（小清水）などが対応に駆け付けた。
　道北圏をみると、上川管内において、国道４路線５区間、道道２路線２区間が通行止めに。国道２７３号では上川町内で雪崩が発生し、復旧作業に当たった（株）小椋組（上川）は「雪崩の規模は大きくないが、現地の天候が悪く、想定よりも作業が遅れている」と厳しい状況を説明している。
　各社の迅速な対応によって、１５日午後５時時点で十勝管内の国道２３６号や帯広広尾道、上川管内の国道２７３号および旭川紋別道の一部区間などの通行止めが解除。きょう１６日から１週間程度は天候が落ち着く見通しだが、各行政機関は最新の気象情報および道路情報を収集するよう注意を呼びかけている。