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現場条件で柔軟な休日設定/石狩川改修北村遊水地周囲堤試験盛土ほか/週休2日の現場から Report1 ―草野作工(株)―

近藤代理人画像
「社内全体での共通理解が必要」と話す近藤代理人
 岩見沢市北村の現場事務所にほど近いプラントから、セメントの配合量が異なる土砂が次々と運び出される。ダンプトラックが向かった場所には、台形に成形された盛土が10基以上並ぶ。草野作工(株)(江別)が進める「石狩川改修北村遊水地周囲堤試験盛土ほか」(札幌開建発注)の現場だ。
 北村遊水地の周囲堤施工に当たっては、施工個所によって異なる軟弱地盤への対策が不可欠となる。同社が手がける周囲堤試験盛土の現場は、真空圧密工法を採用。盛土材料試験個所では、セメントと粘性土の配合を複数パターンでテストしている。施工個所それぞれの地盤に最適な築堤盛土を実現するために欠かせない作業だ。
 草野作工は、2017年度から完全週休2日制実施に向けた社内体制の整備を進めてきた。前年度は、河川・道路の工事4件で完全週休2日実施率100%を達成した。ことし3月には、仕事改革、現場環境改革、本社オフィス環境改革を三位一体で推進するため、働き方改革実施方針を策定。魅力ある建設業を目指し、労働環境の抜本的改善に、社を挙げて取り組んでいる。
 こうした流れを受け、同現場においても週休2日を採用している。着工した4月13日から8月中旬までは土日を休日に設定。工事が本格化した盆明けからは、日曜日と水曜日を休日に設定する変則的なスタイルを採る。
 変則的な休日を採用しているのは、盛土材料試験という現場の特殊性が影響している。セメントと土を複数パターン配合し、放置期間を設け、反応期間についても確認を行う。盛土作業が可能な状態になるまでには各配合3日が必要となる。通常どおり土日に休日を設定すると、水曜日と木曜日も施工できないため、週の中で実質3日しか稼働できない計算になる。
 そのためスケジュール調整には細心の注意を払っている。悪天候が続くと休工日を作業日に振り替えて進捗させるが、現場の特殊性から一般的な振り替えは難しいという。
 施工を担当する近藤亮太現場代理人は「現場条件に合わせた休日を設定することで、週休2日を確保しながら稼働日数を確保できる」と明かす。

業界挙げて取組を 若手から歓迎の声

 プラントの稼働や土の搬出入、盛土などの作業で、1日最大で30人の人員が必要となり、なじみの下請業者に声をかけ、作業員確保に汗をかいた。「変則的な休日の採用を下請業者に説明し、了解を取る必要があった」という。
 「リース機材等も週1日と比べ、週休2日ではやや割高な設定になってしまうが、社として共通理解ができている」ことが、“イレギュラー”な現場においても週休2日での施工を可能にしている。
 近藤氏は特殊な現場環境の中で「工期内での完成を意識し過ぎると焦りが生じてしまう。発注者との綿密な意見交換のもと、柔軟な工程を設定してもらえればありがたい」と期待する。
 現場の技術者は、近藤代理人を含めて5人。うち、2人は入社1~2年目で、若手育成を見据えた配置となっている。学生時代から土日休みで過ごしてきた若手とは、「ジェネレーションギャップを感じる」と笑う。若手技術者の育成・確保の観点を踏まえても、「業界全体が週休2日実現に真剣に取り組んでいかなくては」と強調する。「体は2~3日働いて休むことも良いと思うが、土日休みの方がいろいろと都合がいいだろうから」と話す。実際、若手技術者からも「遊びに行く時間ができた」「2日続いて休むことができるので、予定が立てやすい」など、歓迎する声が上がっているという。
 施工は12月10日までを予定している。それ以降は土日完全休工に戻り、試験盛土の観測などに入る。
 「本道の気候上、冬期に入ると経費の増額などで利益を上げることが難しくなる。それまでには何としても終わらせたい」と力を込める。

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周囲堤試験盛土の様子
周囲堤試験盛土の様子
(連載・特集 2018/11/28付)