高規格ユニットロードターミナル／荷役効率化へ導入検討／開発局 苫小牧港東港区周文ふ頭

　開発局は、苫小牧港東港区周文ふ頭のマイナス９メートル岸壁拡張要請に合わせ、同地区において高規格ユニットロードターミナルの導入を検討している。苫小牧港管理組合からマイナス９メートル岸壁の２７０メートル延伸が要望されていることから、拡張に伴い、フェリーターミナル車両管理のＩＣＴ化、自動離着岸装置等の係留設備などの導入可能性を整理。１２月末までに方向性をまとめるとしている。
　北海道～本州間の輸送はフェリー・ＲＯＲＯ船が多くを担っているが、船舶大型化に伴い、ユニットロードターミナルの混雑が発生している。北海道新幹線の札幌延伸に伴い、海上輸送の増加が見込まれ、さらなる混雑やトラックドライバーの不足が懸念されている。
　開発局は、こうした課題を踏まえ、情報通信技術と自動化・省人化技術等の活用、広域集荷拠点整備と自動離着岸装置等の導入による輸送および荷役の効率化を図る高規格ユニットロードターミナルの導入を検討。苫小牧港管理組合からマイナス９メートル岸壁拡張が要請されている苫小牧港東港区周文ふ頭に着目し、同地区において高規格ユニットロードターミナルのモデル実現のための課題整理、適用性の検討を行うこととした。
　「北海道港湾における高規格ユニットロードターミナル導入検討業務」を発注し、北日本港湾コンサルタント（株）（札幌）が１６３０万円（税抜き）で受注した。
　業務では、ＩＣタグや車両読取装置などによるフェリーターミナルの車両管理、自動離着岸装置、クイックリリース等の係留設備導入などを検討。概略配置、概算費用、費用対効果、運用上の課題をはじめ、自動離着岸装置等設置による岸壁に対する影響を考慮し、設計条件などをまとめる。
　検討に当たっては、港湾利用者を交えた現地調整会議を数回開催し、現地の意見を反映。１２月末までに方向性をまとめることとしている。
　なお、苫小牧港東港区周文ふ頭における既存のマイナス９メートル岸壁の延長は２７０メートル。２倍の５４０メートルとすることで、現在の１隻分のスペースから、２隻分を確保できる。