調査・設計手法を整理／道建設部 長寿命化へ手順策定／既設砂防堰堤等緊急改築

　道建設部は、既設砂防堰堤等緊急改築調査設計マニュアルを策定した。「北海道砂防関係施設長寿命化計画」に基づく長寿命化対策の一層の推進に向け、調査・設計における基本事項や技術的配慮事項を整理。国のマニュアルをベースとしているが、本道の地域特性も考慮した形で標準的な調査・設計手法を定めた。具体的には、基礎地盤調査、堤体コンクリート調査および試験、安定計算、堤体の補強、漏水・ひび割れ補修対策などに関する調査・設計手法を示している。

　道は、高度経済成長期以降に集中的に整備され、今後一斉に更新時期を迎える所管施設の老朽化対策を着実に推進するため、２０１５年６月に北海道インフラ長寿命化計画（行動計画）を策定。厳しい財政状況を踏まえ、維持管理・更新等にかかるコストの縮減・平準化に努めるとしている。
　各部では、個別施設ごとの対策時期や内容などを示した個別施設計画を策定。「北海道砂防関係施設長寿命化計画」に関しては１９年３月に定め、防災・安全交付金を活用するなどして順次対策を講じている。
　一方、対象施設数は膨大で、より効率的・計画的な取組が求められることから、道建設部は、既設砂防堰堤等緊急改築調査設計マニュアルを策定。砂防堰堤等の調査・設計における基本事項や技術的配慮事項を示した。基本的には国のマニュアルをベースとしているが、本道の地域特性も考慮した形で標準的な調査・設計手法を取りまとめている。
　緊急改築にかかる調査では、「基礎地盤調査」「堤体コンクリート調査および試験」「基礎地盤の透水性に関する調査」「堆積土砂の有害性に関する分析」についての手法を明記。設計に関しては「水通し断面」「安定計算」「堤体の補強」「袖部の嵌入と基礎根入れ」「地盤支持力度」「漏水・ひび割れ補修対策」「パイピング対策工」「前庭保護工」などの手法を整理している。