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生産空間守る物流網を/食料安定供給で強靱化も/開発局 2050年本道のあるべき姿

2022/06/10付 DOTSU-NET NEWS
 開発局は9日、札幌第1合同庁舎で連携協定締結企業との「2050年の北海道の姿を考える懇談会」を開催した。生産空間を守り物流コストを低減するには高規格道路の延伸が必須となっていることを共有。国際情勢が不安定となる中で食料安全保障の重要性が増していることから、安定供給の面を含め本道の強靱化を積極的に進めていくことが重要との声も上がった。

 会合には(株)セコマの丸谷智保会長、ヤマト運輸(株)の松井克弘執行役員(北海道地域統括長)、北海道コカ・コーラボトリング(株)の佐々木康行社長、(株)北海道日本ハムファイターズの川村浩二社長、(株)北海道銀行の兼間祐二頭取、(株)クリエイティブオフィスキューの伊藤亜由美社長、クリプトン・フューチャー・メディア(株)の伊藤博之社長が出席した。出席を予定していた(株)北洋銀行の安田光春頭取は急用が入ったことから書面で参加した。
 開催に当たり橋本幸局長は、「2050年の北海道の姿を描き出し、バックキャスティングで考えていく」とし「北海道の未来を真剣に考えている皆さんのお考えを伺い、新計画の起草案の肉付けに生かしていきたい」と述べた。
 セコマの丸谷会長は生産空間の崩壊が懸念されていることを指摘。「どう防ぎ、地域を残していくのか。その上で地域を興していくことが大切。定住、関係人口を増やしていくことが重要となっている」と強調した。生産空間を支えるには「物流を支える道路網が重要」との考えを示した。
 一方で、トラックドライバーの労働時間が厳格化されることに伴い、物流コストの上昇を懸念。高規格道路の整備による時間短縮が必須になっている状況を示し「物流コストの低減と脱炭素化にもつながる」と大きなメリットがあることを示した。その上で「2050年には全部つながっていてほしい」と期待を寄せた。
 さらに、「第2青函トンネルも現実的になっている」と強い期待を示すとともに、道東縦貫道など新たな道路網の整備の必要性を示し「物流を効率化して生産空間を活性化し過疎地内でのモビリティの確保が重要」との考えを示した。
 ヤマト運輸の松井執行役員(北海道地域統括長)は「基幹産業のイノベーションを通じた一次産業の従事者増加、効率的なネットワーク、消費物価の安定、地産地消をはじめ、食料を安定的に供給するためにも強靱な北海道のためのインフラ整備が重要」とした。
 北海道コカ・コーラボトリングの佐々木社長は、北海道の中で循環型社会を形成する必要性を強調。「北海道総出の仕組みづくり必要。それが地方の活性化、経済成長につながる。脱炭素化、企業、成長のチャンスと前向きに取り組んでいきたい」と述べた。
 クリエイティブオフィスキューの伊藤社長は本道の食に関する取組強化とともに、北前船などの歴史のコンテンツ化を進める必要性を指摘。北海道スタジオ化構想を提唱し「つぎの世代が北海道の良さを映画、映像を発信していくことが必要」と語った。
 (株)北海道日本ハムファイターズの川村社長は新球場建設により大きな経済効果が見込まれることを示した上で「観光のハブ機能」を担うことを期待。そうした中でアクセス改善を目的とした道路整備などの各種インフラ整備が重要になるとの考えを示した。
 (株)北海道銀行の兼間頭取は、持続可能な金融インフラの構築に取り組んでいることを説明。農業事業にも進出していることを示し「2050年に向けて、少し裏方としてしっかりと産業を支える努力をしたい」と語った。
 クリプトン・フューチャーのメディア(株)の伊藤社長は「北海道にこそクリエイターが必要。地場の人々だけでなく、新しい人を呼び込んで活性化し、北海道を未来社会の開拓地と捉え、技術の実証実験・新規事業を促すことが大切」とした。

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