重複して負担求めず／単品適用は変更後の総価で／国交省 スライド条項併用取扱い

　国土交通省は、所管発注工事において全体スライド、インフレスライド、単品スライドを併用した場合、単品スライドの受注者負担を求めない取り扱いとした。全体スライドまたはインフレスライドの受注者負担のみを求める。一方、単品スライドの適用可否を判断する１％を乗じる請負代金額は、全体スライド、インフレスライドのスライド額を含んだ変更後の総価とする。改定した単品スライド運用マニュアルに明記した。
　工事請負契約書のスライド条項は、比較的緩やかな価格水準の変動に対応する全体スライド、急激な価格水準の変動に対応するインフレスライド、特定の資材価格の急激な変動に対応する単品スライドの３種類がある。
　いずれも一部を除き受注者負担として全体スライドは残工事費の１.５％、インフレスライドは残工事費の１％、単品スライドは対象工事費の１％を求めている。
　改定した単品スライド運用マニュアルには、全体スライド、インフレスライドと単品スライドを併用した場合の取り扱いを明記。併用した場合、全体スライドまたはインフレスライドの受注者負担を求めていることから、単品スライドにおける対象工事費に関する１％の負担は求めないこととした。併用する場合は、先に全体スライドまたはインフレスライドの設計変更契約を行うとする。
　負担を求めない理由については「受注者にリスクを重複して負担させることになり、過大となるため」としている。
　一方で、単品スライド条項の可否を判断するために１％を乗じる請負代金額には、全体スライド条項、インフレスライド条項のスライド額を含んだ変更後の総価とする。