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防災減災対策 教訓生かし加速を/恒久対策等は年度内完了へ/胆振東部地震から5年

2023/09/06付 DOTSU-NET NEWS
 北海道胆振東部地震の発生からきょう6日で5年がたつ。道内全域での停電、いわゆるブラックアウトが情報収集を困難にさせる中、開発局や道、地域建設業等が発災直後から迅速に対応。被災状況の早期把握に努めるとともに、昼夜を問わない緊急復旧作業を展開し、恒久対策を含めた大型災害復旧事業も2023年度内に無事完了する見通しとなった。今後も森林再生や被災者の心のケアなどといった取組が続くが、本道では海溝型地震の切迫のほか、気候変動等による水災害リスクの増大も懸念されており、あらゆる災害に備えたハード・ソフト両面からの防災・減災対策を各地で進めていくことが求められている。

 18年9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震は、道内の観測史上最大となる震度7を記録し、厚真町、安平町、むかわ町を中心に大規模な土砂災害や家屋の倒壊などが発生。苫東厚真火力発電所が緊急停止したことによるブラックアウトで、道民の暮らしや経済社会活動にも深刻な影響を及ぼした。
 厚真町では、国内の地震による被害として明治以降最大規模となる約4300ヘクタールの林地崩壊が生じたほか、厚真ダムを含めた直轄勇払東部地区においては農業水利施設等の被害が発生。道管理の日高幌内川上流部においては、大規模な地すべりによって河川がせき止められ、延長約1.4キロメートルに及ぶ“天然ダム湖”が出現した。
 被害の拡大を防ぐため地域建設業等は、重機による流木や土砂の撤去など過酷な災害現場の中で昼夜を問わず緊急復旧を実施。被災状況の全容把握や早期復旧に向けた技術的支援として国土交通省は、全国から東北・関東・北陸・中部・中国・四国・九州地方整備局等の職員延べ3064人をTEC―FORCE(緊急災害対策派遣隊)として被災地に集結させた。
 厚真ダムやパイプラインの被災で地域の基幹産業である農業への影響も懸念されたが、暫定的な用水確保を行い、19年春から営農が再開。東和川などにおける恒久対策や町内各地での本復旧工事がピークを過ぎ、本年度内に大型災害復旧事業は全て完了する見通しとなっている。
 一方で、本道では、今後30年間における発生確率が60%程度とされる海溝型地震に加え、気候変動等に伴う水災害リスクについても全国以上の増大が見込まれている。
 行政関係者は「震災の記憶を風化させず、得られた教訓や知見を生かしていくことが大切」と指摘しており、いつ発生するか予測できない自然災害に備え、ハード・ソフト両面からの防災・減災対策を各地で一層加速させていくことが求められている。

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