新技術を積極活用／要領改正、活用原則化など予定／橋梁・トンネル等の３巡目点検 － 国交省

　国土交通省は、２０２４年度から３巡目を迎える橋梁やトンネル等を対象とした定期点検に関し、引き続き新技術の積極的な活用を図る。さらなる活用促進に向けては、定期点検要領の見直しを予定。点検支援技術性能カタログをさらに拡充し、掲載技術の一部の活用を原則化する試みも進める。一方、道路システムのＤＸに資する取組では、ＡＩやＩＣＴ等を活用した道路管理体制の強化を進めることとしており、２４年６月までに直轄国道の維持管理基準を改正。道路巡視の高度化・効率化を実現する考えだ。

　中央道笹子トンネルの天井板落下事故等を踏まえた道路法施行規則の一部改正により、１４年度から道路管理者には、全ての橋梁、トンネル等について、５年に１回の近接目視による点検が義務付けられた。１巡目点検は１８年度に完了し、現在は２巡目点検が進められている。
　点検に当たっては、新技術の活用を促進するため、点検支援技術性能カタログを作成・公開。国が定めた標準項目に対する性能値を開発者に求め、開発者から提出されたものをカタログ形式で取りまとめたもので、ことし４月時点でドローンを利用した変状把握やレーダーを利用したトンネル覆工の損傷把握など２３９の技術が掲載されている。
　２２年度から橋梁・トンネル、２３年度からは舗装の直轄定期点検において、カタログ掲載技術の一部の活用を原則化。対象である旨は特記仕様書に明記している。
　２４年度からの３巡目の定期点検に向けては、新技術の活用促進などといった観点を踏まえた上で要領改正を予定するほか、カタログのさらなる拡充を予定。また、維持管理の効率化・高度化を目指し、スタートアップ企業等が行う技術研究開発を促進する。
　新技術の導入に必要な技術基準類の迅速な整備、新技術の活用に対する道路メンテナンス事業補助制度での優先的な支援にも努める。
　一方、２４年度は、道路システムのＤＸに資する取組も一層推進。ＡＩやＩＣＴ等を活用した道路管理体制の強化を進めるため、６月までに直轄国道の維持管理基準を改正し、道路巡視の高度化・効率化につなげる方針だ。