１１日 湛水式を挙行／直轄ダム初 同軸嵩上げ採用／札幌開建 新桂沢ダム完成間近

　洪水被害、渇水被害から地域を守りながら、住民の暮らしや工業の発展によって経済を潤すことが期待される新桂沢ダム。札幌開建によって、直轄ダムとして初めて同軸嵩上げを採用して進められた整備が完成に近づき、ついに試験湛水が開始される。試験湛水の開始を記念し、開建は１１日午前１１時から三笠市の桂沢ダム管理支所で湛水式を挙行する。
　新桂沢ダムは、石狩川・幾春別川の洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水の供給、工業用水の供給、発電を目的とした重力式コンクリートダム。幾春別川総合開発事業の一環として、開建が整備を進めていた。
　直轄ダムで初となる同軸嵩上げを採用し、堤高７５.５メートル、総貯水容量１億４７３０万立方㍍を目指した整備を推進。道内で前例のない施工を乗り越え、本体打設・地すべり対策工事等が概成したことから湛水式を開催する運びとなった。
　生まれ変わった新桂沢ダムは、治水・利水機能の増大で地域に安全をもたらし、農業・工業用水の安定供給につながるなど地域経済への効果が期待される。