導入・拡大へ検討加速／計画的に入職しやすい環境に／道内市町村の週休２日工事

　４月から適用される時間外労働の罰則付き上限規制を見据え、道内市町村においても週休２日工事の導入・拡大に向けた検討が進んでいる。働き方改革として週休２日の確保が重要な課題となる状況に対応するもので、ある自治体では「国や道と一体となった取組を展開することで、建設業の担い手確保、入職しやすい環境づくりを計画的に行っていきたい」（担当者）と説明。釧路市ではモデル工事としての現行の取り扱いを見直し、全工事を対象に拡大する方針を示すなど、週休２日の取組は各地で一層加速していく見通し。

　建設業界においては担い手不足が懸念され、若手技術者や技能労働者の確保・育成を中心とした将来の担い手確保が重要な課題に。若年技術者等の入職促進策として、週休２日の確保などによる働き方改革の実現が求められている。
　開発局や道などでは、既に週休２日の取組を積極的に推進。業界の就業環境改善に向けた意識の高まりと発注者側による週休２日に取り組みやすい環境整備によって、２０２２年度の４週８休以上達成率は１００％に迫る数値となった。
　取組は市町村でも広がりを見せており、国土交通省、総務省、財務省が昨年公表した「入札契約の適正化の取組状況に関する調査結果（７月１日時点）」をみると、札幌市を除く道内１７８市町村のうち週休２日工事について「実施」と回答したのは１２.９％に当たる２３市町村。「検討中」との回答は、１９.７％に当たる３５市町村だった。
　道内市町村では、現在、４月から適用される時間外労働の罰則付き上限規制を見据え、週休２日工事の導入・拡大に向けた検討を加速。本紙調査によると、新たにモデル工事としての導入に加え、全工事を対象に拡大する市町村も複数ある。
　さらに「他の市町村の動向を踏まえ庁内で検討を進めていきたい」との声もあり、今後の動向が注目される。