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各段階でリスク把握/改定に向け対応方針案提示/能登地震踏まえた技術基準等 - 国交省

2024/07/23付 DOTSU-NET NEWS
 国土交通省は22日、東京都内で社会資本整備審議会道路分科会第23回道路技術小委員会を開催した。能登半島地震を踏まえた技術基準等の対応方針案を提示。共通事項では、事業化前の計画段階はもとより、構造物の設計、施工の段階においても現地調査結果等を踏まえ、隣接する構造物間も含めて道路機能に支障となるリスクを把握し、必要があればルートや構造を見直すなど、これまで以上に柔軟な運用に努めることを確認した。最新の技術動向に基づく各技術基準類の充実も図る方針。緊急輸送道路を対象とした盛土法面の点検に着手することも示し、必要に応じて順次対策を講じていくとした。

 能登半島地震では、大規模な地盤変動が生じ、海岸沿いの国道249号をはじめ、各インフラ施設に甚大な被害が発生。半島特有の地形から道路ネットワークが限られる中、アクセスルートも軒並み被災したことで、現地状況の把握や復旧等の対応が困難化する事態となった。
 委員会では、これらの道路構造物の被災に対する専門調査結果等を踏まえ、今後の対応などを議論。今回の会合では、前回示した技術基準の方向性を踏まえた対応方針案を説明した。
 道路構造物の共通事項では、事業化前の計画段階において、地滑り地帯や断層等を把握してリスクの検討を行う方針を提示。その上で、構造物の設計、施工の段階においても、現地調査結果等を踏まえ、隣接する構造物間も含めて道路機能に支障となるリスクを把握し、必要があればルートや構造を見直すなど、柔軟に運用する必要性を示した。
 地形・地質状況や被害発生予測などは、より確度が高く把握が可能な新技術を活用。各道路構造物の特性に応じた技術基準類の充実も必要とした。
 構造物ごとの対応案をみると、橋梁は、続発する地震により、橋梁の重要な機能の損失が起こり得ることから、現行基準に規定のない「続発する地震」を加える方針。続発に対しても初回後の状態にとどめるため、損傷が進展しないことを要求する。
 今回の地震で復旧に時間を要することとなった橋台およびその周辺部の被害状況を踏まえ、橋台背面アプローチ部に求める性能も示すとした。
 土工は、道路機能を確保する観点からの性能規定の充実を明記。トンネルは、近年の技術進展への対応、現場で生じている課題への対応も踏まえ、技術基準改定の必要性や方向性を今後審議するとした。
 このほか、緊急輸送道路を対象とした盛土法面の点検に着手することも確認。対象盛土は概ね10メートル以上、集水地形としている。調査、対策においては、新たな知見を踏まえ、適宜、道路区域外の湿潤状況の確認、基礎地盤や排水対策を実施するとした。
 次回会合は年内の開催を予定。道路土工構造物技術基準の改定案、道路橋示方書の改定案、道路トンネルの技術基準の改定に向けた検討の方向性について議論する。

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